SoFi Technologies(NASDAQ: SOFI)の株価は、3月14日時点で先月から25.0%下落し、年初来で26.0%のマイナスとなった。過去1年では54.3%の上昇を記録しているが、最近の業績見通しが市場予想を下回ったことで株価は短期的に軟調となっている。
同社は過去最大規模の50億ドルのローン契約を締結し、Morgan StanleyやNeedhamなどのアナリストが目標株価を引き上げる一方、キャシー・ウッドは保有株を売却した。SoFiの成長戦略として、銀行免許の取得、クロスセル戦略の強化、金融サービスの拡充が挙げられる。
今後5年間の株価は段階的な上昇が予想され、2030年には現在の水準から55.3%上昇し、17.56ドルに達すると見込まれる。ただし、アナリストの評価は分かれており、市場は慎重な見方を崩していない。
50億ドルのローン契約と金融事業の拡大

SoFi Technologiesは、過去最大規模となる50億ドルのローンプラットフォーム事業契約を締結した。これは、同社の金融サービス拡大の一環であり、住宅ローンや個人融資、クレジットカードといった多様な金融商品を提供する戦略に沿った動きである。
また、SoFiは2020年にGalileoを買収し、決済インフラの強化を進めてきた。これにより、銀行業務の効率化と金融商品間のシームレスな連携が可能になった。さらに、全国銀行免許を取得したことで、低コストの預金を活用し、従来よりも競争力のある融資条件を提供できる体制を整えた。
この成長戦略に対し、Morgan StanleyはSoFiの目標株価を7.50ドルから13.00ドルへと引き上げ、同社の将来性を一定の評価をした。しかし、同時に格付けは「アンダーウェイト」としており、慎重な姿勢を示している。一方、Needhamは目標株価を13.00ドルから20.00ドルに引き上げ、「買い」の評価を継続しており、アナリスト間でも評価が分かれる状況が続いている。
SoFiの収益構造と株価変動の要因
SoFiの収益は近年大幅に成長しており、2021年の売上高9.77億ドルから2024年には23.43億ドルへと増加した。しかし、純損失は依然として続いており、2023年には3.01億ドルの赤字、2024年も1.13億ドルの損失を計上している。この要因の一つに、積極的なマーケティング投資が挙げられる。2023年のマーケティング費用は7億2000万ドルに達し、新規顧客獲得とブランド認知向上に多額の資金が投入された。
同社の株価はこの収益成長とともに変動を見せており、過去6カ月間で99%以上上昇した。しかし、短期的には市場予測を下回るEPS見通しが発表されたことにより、株価は軟調となった。特に、年間EPS見通しが0.25ドルから0.27ドルと市場期待を下回ったことが投資家の懸念材料となっている。
また、著名投資家の動向も株価に影響を与えている。ジム・クレイマーがSoFiを推奨する一方、キャシー・ウッドは数百万ドル相当の株式を売却しており、市場のセンチメントは一貫していない。こうした投資家の動きが短期的な株価の変動要因となっている。
2025年から2030年の株価予測と市場の期待
24/7 Wall St.の予測によると、SoFiの株価は2030年までに現在の水準から55.3%上昇し、17.56ドルに達する可能性があるとされている。この見通しは、業界平均の3.5倍の売上高倍率を基準に算出されており、金融事業の拡大と利益成長を前提としたものとなっている。
具体的な予測では、2025年の株価は9.33ドルと現在よりも低下する可能性があるが、2026年には11.35ドル、2028年には14.23ドルへと上昇が見込まれている。これは、同社の収益拡大とEPSの向上が徐々に市場で評価されるとの見方に基づくものである。
ただし、市場の評価は分かれており、アナリスト19人中5人のみが「買い」の評価をしている現状を考慮すると、株価の上昇ペースには慎重な見方も必要である。特に、銀行免許取得による融資事業の成長が期待される一方で、金融政策の変動や競争環境の変化がリスク要因となり得る。今後の業績動向とともに、市場の評価がどのように変化するかが注目される。
Source:24/7 Wall St