NetflixがAppleやMicrosoft、Amazonなどの巨大テクノロジー企業と肩を並べる存在になれるのか、投資家の間で関心が高まっている。現在、同社の時価総額は3,840億ドルに達しており、過去20年間で株価は66,600%もの上昇を遂げた。この成長を支えたのは、従来のメディア市場を根底から覆したストリーミングビジネスの確立である。

近年のNetflixは成長維持のために戦略を多様化。パスワード共有の取り締まりや広告付きプランの導入、さらにはライブイベントやスポーツ分野への進出を進めている。2025年の営業利益率目標は29%、フリーキャッシュフローは80億ドルと堅調な見通しだ。

しかし、現在の株価収益率(P/E)は45.3と割高感があり、慎重な投資判断が求められる。今後10年で時価総額が1兆ドルに達する可能性はあるが、バリュエーションの動向次第では、投資家にとって最適なエントリーポイントを見極める必要がある。

Netflixの驚異的成長と市場での位置づけ

Netflixは、ここ20年間で劇的な成長を遂げた企業の一つである。2005年以降、同社の株価は66,600%の上昇を記録し、時価総額は現在3,840億ドルに達している。これは、従来のケーブルテレビに代わるストリーミングという新たな市場を創出し、業界のパラダイムを大きく変えた結果である。Netflixは現在190カ国で事業を展開し、加入者数は302百万人に達しており、2019年の1億6,700万人から大幅に増加している。

売上高の推移もその成長を裏付ける。2019年の売上は200億ドルだったが、2024年には390億ドルに達し、5年間でほぼ倍増している。この背景には、コンテンツ投資の拡大、広告付きプランの導入、パスワード共有の制限強化といった施策がある。特に、広告付きプランは価格に敏感な消費者層を取り込み、新たな収益源として機能している。これらの施策により、Netflixは現在の規模に成長し、次のフェーズへ進もうとしている。

1兆ドル企業への道筋と成長戦略

Netflixが2035年までに時価総額1兆ドルに到達するには、現在の3,840億ドルから約160%の成長が必要となる。過去10年間でNetflixの市場価値は1,320%の成長を遂げており、その実績を考慮すれば、今後10年間での達成は不可能ではない。ただし、今後の成長速度は鈍化すると予想されており、その達成には継続的な収益拡大と新規事業の成功が不可欠である。

同社はすでに新たな収益モデルを模索している。近年、パスワード共有の取り締まりを強化し、アカウント共有からの追加収益を確保した。また、広告付きプランの導入により、広告収入の拡大を図るとともに、低価格帯でのユーザー獲得を狙っている。さらに、ライブイベントやスポーツコンテンツの配信に参入し、新たな視聴者層の取り込みを進めている。

一方で、競争環境の変化にも対応しなければならない。Disney+やAmazon Prime Video、Apple TV+など、競争相手の増加により、コンテンツの独自性と差別化が求められている。今後、Netflixが1兆ドル企業へと成長するためには、持続的な収益拡大だけでなく、競争環境の変化に柔軟に対応し、ユーザーエクスペリエンスを強化することが不可欠となる。

株価の評価と投資家の判断

Netflixの現在の株価収益率(P/E)は45.3倍に達しており、市場平均を大きく上回る水準にある。これは、投資家が今後の成長に対して高い期待を寄せていることを示しているが、一方でリスク要因も存在する。現在のバリュエーションを考慮すると、今後の成長が期待通りに進まなかった場合、株価が大きく調整される可能性がある。

特に、収益の伸び率が鈍化した場合、P/Eの縮小が起こる可能性がある。仮に2035年にP/Eが25倍まで低下した場合、時価総額1兆ドルに到達するには、年間16.7%のEPS成長が必要となる。Netflixは過去10年間でそれ以上の成長を遂げてきたが、今後も同じペースを維持できる保証はない。

また、競争環境の変化や消費者の視聴習慣の変化もリスク要因として挙げられる。広告付きプランの収益化が期待通り進むか、スポーツやライブイベントの配信が成功するかなど、未知数の要素が多い。現在のバリュエーションを考慮すると、投資家にとっては慎重な判断が求められる局面といえる。

Source:yahoo finance