ASRock製マザーボードとAMDの9800X3D CPUの組み合わせにおいて、高い故障率が報告されている。ユーザーコミュニティの調査によると、42件のCPU故障事例のうち、80%以上がASRock製マザーボード上で発生していた。特に、BIOSのバージョン3.15、3.16、3.18が問題を引き起こしている可能性が指摘されている。
ASRockは最新のベータ版BIOS(3.20)で特定の修正を行ったと発表したが、その効果はまだ不透明だ。一部のユーザーはBIOSを3.10や3.11にダウングレードすることで問題が解消したと報告している。9800X3Dを使用しているユーザーは、安定している場合はBIOSを更新せず、問題が発生した際にはダウングレードを試すことが推奨される。
9800X3Dの故障報告が急増 ASRock製マザーボードとの関連性

ASRock製マザーボードを使用したシステムで、AMDの9800X3D CPUが高い割合で故障していることが明らかになった。ユーザーの報告によると、42件の故障事例のうち34件がASRock製のマザーボード上で発生している。特にX870チップセット搭載のマザーボードで多発しており、影響を受けた個体の80%以上がASRock製だった。
Reddit上では、CPUの故障が発生するタイミングについても注目が集まっている。最短で使用開始から1時間以内に故障した例もあれば、数週間後に突然動作不能に陥るケースもある。また、交換したCPUも短期間で故障する事例が相次ぎ、特定のマザーボードやBIOSバージョンとの関連が指摘されている。
ASRockはこの問題を認識しており、新しいベータ版BIOS(3.20)で修正を試みた。しかし、一部のユーザーはBIOS 3.10や3.11にダウングレードすることで安定性を取り戻したと報告している。このことから、BIOSの更新が不安定性の要因となっている可能性がある。現時点でメーカー側からの公式な詳細説明はなく、ユーザーコミュニティ内で情報の共有が進められている。
BIOSの影響と報告されている不具合の傾向
ユーザーからの報告では、BIOSのバージョンによって9800X3Dの安定性に大きな影響があることが示唆されている。特にBIOS 3.15、3.16、3.18を使用したシステムで頻繁に不具合が発生している。これらのバージョンでは、OSのインストール直後にCPUが動作不能になる、POSTには成功するが起動が不安定になるといった問題が確認されている。
一部のユーザーは、BIOSを3.10または3.11にダウングレードすることで問題を解決できたと報告している。さらに、ASRockが特定のユーザーに提供した未公開のBIOSバージョンでも、一部の故障したCPUが復活したとの情報もある。これらの事例から、BIOSの設定や管理方法がCPUの動作に深く関わっていることがうかがえる。
また、AMD製CPUのバッチによる影響も議論されている。特定のロット(CF 2443PGY、CF 2442PGY)での故障報告が相次いでいることから、製造プロセスの問題があるのではないかとの見方もある。ただし、BIOSのダウングレードで安定するケースがあるため、CPU単体の不具合ではなく、マザーボードとの相互作用による影響の可能性が高い。
ユーザーはどう対処すべきか BIOSのアップデートに注意
現在、ASRock製マザーボードで9800X3Dを使用している場合、安定しているならBIOSのアップデートを避けるのが賢明だ。ASRock自身も「安定動作している場合はBIOSの更新を行わないように」と推奨している。特に3.15以降のBIOSでは不具合が多発しているため、安易に最新バージョンへアップデートするのはリスクが伴う。
すでに不具合が発生している場合は、BIOSのダウングレードを試すのが有効な対策となる。特に、3.10または3.11への戻しが効果的だったという報告が多い。また、故障したCPUのバッチ番号を確認し、同じロットのCPUを使用している場合は、メーカーに問い合わせるのも一つの手だ。
今後、ASRockがさらなる修正を行う可能性はあるものの、現時点ではユーザーの対応が重要となる。特にBIOSの変更履歴を記録し、不具合が出た場合に迅速に以前の状態に戻せるようにすることが推奨される。メーカー側の対応を待つ間、ユーザー同士で情報を共有しながら慎重に対策を講じる必要がある。
Source:GamersNexus