Appleが開発中とされる折りたたみiPhoneの価格が、2,300ドル(約34万円)以上になる可能性が浮上した。イギリスの銀行バークレイズのアナリスト、ティム・ロング氏が投資家向けレポートで示したもので、複数の業界筋による予測とも一致する。
発売時期は2026年後半から2027年初頭とされ、高価格帯モデルとして「iPhone Ultra」という名称が採用される可能性も指摘されている。Appleは高価格設定によって供給管理を最適化し、ターゲット市場を絞り込む戦略を取るとみられる。
折りたたみスマートフォン市場ではSamsungが先行するが、Appleの参入によって競争が激化する可能性が高い。Appleの技術力とブランド力が、折りたたみデバイス市場にどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目される。
Appleの折りたたみiPhone 価格は約34万円か 2026年末から2027年初頭に登場の可能性 折りたたみiPhoneの価格と発売時期 既存モデルとの違いとは

Appleの折りたたみiPhoneは、2,300ドル(約34万円)以上の価格設定となる見込みだ。これは従来のiPhoneシリーズと比較しても大幅に高価であり、ハイエンドモデルのiPhone 15 Pro Maxの約1.5倍に相当する。アナリストのティム・ロング氏によると、この価格はAppleの既存製品と比べても際立っており、折りたたみ技術の採用が価格を押し上げる主な要因とされる。
発売時期については2026年末から2027年初頭が有力視されている。Appleはこれまで折りたたみスマートフォン市場への参入を慎重に進めてきたが、すでにSamsungが市場をリードしている状況を考慮し、技術的な成熟度を見極めながら市場投入のタイミングを決定するとみられる。
現時点では、製品名が「iPhone Ultra」になる可能性も指摘されており、これまでの「Pro」シリーズとは異なる、新たなプレミアムラインとして展開される可能性がある。Appleがどのようなマーケティング戦略を打ち出すのか、今後の動向が注目される。
高価格設定の背景 Appleの狙いと市場への影響
折りたたみiPhoneの価格が34万円以上となる背景には、技術的な要因とAppleの市場戦略がある。折りたたみ式ディスプレイの製造コストは依然として高く、特に耐久性や折り目の目立たない技術を実現するには高度な開発が求められる。Appleはこの点で既存の折りたたみスマートフォンよりも優れたユーザー体験を提供することを目指しているとみられる。
また、高価格帯に設定することで市場におけるポジショニングを明確にする狙いも考えられる。Appleはこれまで「Pro」シリーズや「Ultra」モデルなど、最上位機種を高価格帯で展開し、ブランド価値を維持してきた。折りたたみiPhoneもこの流れを踏襲し、一般市場向けではなく特定のプレミアム層をターゲットにする可能性が高い。
この価格設定は競争環境にも影響を及ぼす可能性がある。現在、Samsungの「Galaxy Z Fold」シリーズは2,000ドル以下で販売されており、Appleの折りたたみiPhoneがより高価格で登場すれば、他社が価格面で優位性を持つことになる。一方で、Appleのブランド力がこの高価格を正当化できるかが今後の市場の焦点となるだろう。
折りたたみスマホ市場の展望 Appleの参入がもたらす変化
Appleの折りたたみiPhoneの登場は、折りたたみスマートフォン市場全体に大きな影響を与える可能性がある。現在、この市場はSamsungがリードし、GoogleのPixel Foldや中国メーカーのモデルが続く形となっている。しかし、Appleが本格的に参入すれば、市場の成長スピードが加速し、折りたたみスマートフォンの普及が一気に進む可能性がある。
Appleはこれまで、既存市場に後発で参入しながらも独自の技術とデザインで業界を一変させてきた。iPhoneの登場がスマートフォン市場を変え、Apple Watchがウェアラブル市場を牽引したように、折りたたみスマートフォンでも同様の影響を及ぼすことが期待される。特に、ハードウェアとソフトウェアの統合によるユーザー体験の向上がカギとなる。
一方で、折りたたみスマートフォン市場はまだ発展途上であり、耐久性やバッテリー寿命といった課題も多い。Appleはこうした課題をどのように克服するのか、また、従来のiPhoneユーザーに対してどのように折りたたみモデルの魅力を訴求するのかが成功の鍵を握ることになるだろう。
Source:TweakTown