Huaweiが、Appleに先駆けて折りたたみ式の小型タブレット型デバイスを発表する可能性が浮上した。同社のCEOリチャード・ユー氏は、中国のSNS・Weiboで新たなティーザー動画を公開し、iPad miniに似た折りたたみデバイスの存在を示唆している。

この新端末は、従来の折りたたみスマートフォンよりも横長のディスプレイを採用し、コンパクトなフォームファクターを特徴とする。Appleは折りたたみiPhoneや折りたたみiPad miniの開発を進めていると噂されているものの、正式な発表には至っていない。

その間隙を突く形で、Huaweiが先行する可能性が高まっている。ただし、同社は米国市場での制裁により、販売の中心は中国を含むアジア圏となる見通しだ。Huaweiの新デバイスが市場に与える影響、そしてAppleの今後の対応に注目が集まる。

Huaweiが発表した新デバイスの特徴と技術的革新

HuaweiがWeiboで公開したティーザー動画には、従来の折りたたみスマートフォンとは異なるデザインのデバイスが登場している。この端末は、AppleのiPad miniに似たフォルムを持ちながらも、折りたたみ式ディスプレイを採用している点が特徴的だ。

ディスプレイにはパンチホール型のセルフィーカメラが搭載されており、これまでのHuawei製折りたたみスマートフォンとは一線を画す仕様となっている。GSMArenaによると、このデバイスはHuaweiの「Pura」または「Pocket」シリーズに属する可能性がある。

特に、16:10のアスペクト比を採用していることが示唆されており、これが折りたたみディスプレイにおいてどのような操作性をもたらすのかが注目される。また、Huaweiの過去の折りたたみスマートフォンは横開き型の「Mate X」シリーズと縦開き型の「Pocket」シリーズに分かれているが、今回のデバイスはその中間的な位置付けとなる可能性がある。

Appleの折りたたみデバイスに関する噂は以前から存在しているものの、同社が公式に発表した事実はない。Huaweiはこの状況を好機と捉え、折りたたみ市場における存在感をさらに強める狙いだと考えられる。

特に、中国国内でのスマートフォン市場競争が激化する中で、新しいフォームファクターのデバイスは差別化の要因となり得る。Huaweiの折りたたみ技術が次なるスマートデバイスの標準となるのか、その動向が注視される。

Huaweiの市場戦略とAppleへの影響

Huaweiは米国の制裁により、グローバル市場での競争力を失いつつある。しかし、中国国内市場では依然として強い影響力を持ち、折りたたみスマートフォン市場においても積極的な展開を進めている。今回の新デバイスも、中国市場を中心に販売される可能性が高い。

Huaweiはすでに複数の折りたたみスマートフォンを展開しており、特に「Pocket」シリーズはコンパクトな折りたたみデバイスとして一定の人気を博している。この流れを汲んだ新モデルは、折りたたみデバイスのさらなる普及を後押しするかもしれない。

一方、Appleは折りたたみデバイス市場において慎重な姿勢を見せている。同社の折りたたみiPhoneやiPadに関する噂は尽きないが、開発段階にあるとされるのみで、具体的な製品は発表されていない。そのため、Huaweiの新デバイスが市場に登場すれば、折りたたみスマートフォン市場においてAppleに先行する形となる。

Appleのブランド力を考えれば、最終的に市場の主導権を握る可能性は高いが、Huaweiの動きがAppleに対してプレッシャーをかける要因となることは間違いない。さらに、Huaweiの動きがサムスンや他のスマートフォンメーカーにも影響を及ぼす可能性がある。特に、サムスンは折りたたみ市場において先行しており、「Galaxy Z Fold」シリーズで高い評価を得ている。

Huaweiが独自のフォームファクターを採用することで、折りたたみ市場全体に新たな競争軸が生まれる可能性がある。Appleの折りたたみデバイスがいつ市場に投入されるのか、Huaweiの新製品がどの程度のインパクトを与えるのか、今後の展開が注目される。

Source:TechRadar