AI検索エンジン「Perplexity」が、Googleの検索AIが犯した「ピザに接着剤」騒動を皮肉る広告を公開した。出演するのはNetflixの『イカゲーム』で知られる俳優イ・ジョンジェ。彼が脱出ゲーム風のシナリオの中で検索するのは、かつてGoogle AIが誤った情報を提示した「チーズをピザにくっつける方法」だ。

Googleの「AI概要(AI Overviews)」は、ウェブの情報を自動要約する機能だが、昨年「ソースに接着剤を加える」と誤った回答を示し、大きな批判を浴びた。Perplexityの広告では、この失敗をあざ笑うかのように、架空の「Poogle」検索エンジンが不適切な答えを返し、対照的にPerplexityが正しい情報を提示する展開となっている。

GoogleはAI概要を拡大し続ける方針を示しているが、信頼性の問題が指摘される中、Perplexityは「正確な答えを提供するエンジン」としての立場を強調。一方で、同社の情報収集手法には著作権の懸念もある。検索市場を巡る競争が激化する中、今回の広告はGoogleの課題を改めて浮き彫りにしたといえる。

Perplexityの広告戦略とGoogleのAI概要が抱える課題

Perplexityが今回の広告で狙ったのは、GoogleのAI検索の信頼性を問うことである。特に、2024年にGoogleの「AI概要(AI Overviews)」が「ピザに接着剤を加える」という誤情報を提示し、広く批判された問題を強調した。広告では、「Poogle」という架空の検索エンジンが正確な答えを出せない様子を描き、Googleの実際の失態をユーモラスに再現している。

GoogleのAI概要は、検索結果の要約機能として導入されたが、導入直後から誤情報が多数報告されている。特に、生成AIが情報の出典を曖昧にし、コンテキストを誤認する傾向が指摘されてきた。今回の「ピザに接着剤」問題もその一例であり、Googleのアルゴリズムがウェブ上の誤情報を無批判に取り込んだことが原因と考えられている。

Googleは2025年3月にAI概要をさらに多くの検索クエリへ展開すると発表したが、信頼性向上策については具体的な説明が不足している。一方、Perplexityは「正確な答えを提供する」ことを前面に押し出し、競争力を高めようとしている。検索エンジン市場における主導権争いが激化する中、GoogleのAI概要が今後も信頼性を問われ続ける可能性は否定できない。

AI検索市場の競争と著作権問題

GoogleとPerplexityをはじめとするAI検索エンジンの競争は、従来の検索アルゴリズムの枠を超えた新たなフェーズに突入している。特に、GoogleがAI概要の適用範囲を拡大することで、ウェブのトラフィックが検索エンジン側に集中し、コンテンツ提供者の収益モデルに影響を与える懸念が高まっている。

Perplexityは、単なる検索結果の表示ではなく、直接的な回答を提供する形を採用している。しかし、この方式には著作権の問題が伴う。Perplexityが提供する回答は、既存のウェブコンテンツを基にしており、オリジナルの情報提供者が適切なクレジットを受け取れない可能性がある。そのため、一部のメディアやコンテンツ制作者は、Perplexityの手法が情報の「盗用」に当たるのではないかと疑問を呈している。

Googleもまた、AIによる検索の変革を進めているが、誤情報の発信リスクや、コンテンツ提供者との関係性の問題を抱えている。検索エンジン市場におけるAIの活用は、利便性を高める一方で、情報の信頼性やコンテンツの権利関係を再考する必要に迫られている。

Perplexityの広告が示唆する検索エンジンの未来

今回の広告は、AI検索の信頼性と競争のあり方について新たな議論を生む可能性がある。PerplexityはGoogleとの差別化を図るため、「正確な回答を提示する」ことを強調しているが、AI検索技術が進化する中で、その精度と透明性が今後どこまで保証されるかが鍵となる。

一方、GoogleのAI概要は利便性向上を目的として導入されたが、誤情報の拡散や検索結果の恣意的な要約によって、かえって信頼性を損なうケースが相次いでいる。特に、今回の「ピザに接着剤」問題のような誤りが再発すれば、Googleの検索エンジンとしてのブランド価値にも影響を与えかねない。

AI検索市場が進化する中で、ユーザーが求めるのは「利便性」だけではなく、「正確性」と「透明性」である。GoogleとPerplexityを含む競争が激化することで、検索エンジンの在り方が変わる可能性がある。今後、どの企業が信頼性と利便性を両立させるかが、検索市場の勢力図を大きく左右することになるだろう。

Source:The Verge