米国株式市場は18日、主要3指数が揃って上昇し、ダウ平均は0.8%以上、S&P500は0.6%以上、ナスダックは0.3%の上昇を記録した。市場では4週連続で下落していたS&P500とナスダックが買い戻され、割安感を狙う動きが広がった。

投資家心理の背景には、S&P500の10%下落ライン突破を機に反発を見込む動きがあったとみられる。また、20日まで開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが有力視されているが、経済見通しの発表を控え、市場は慎重な姿勢を崩していない。

さらに、半導体セクターが注目を集め、Nvidiaのイベントを前に量子コンピュータ関連株が急騰。インテル株も、次期CEOによるAI戦略と製造方法の大幅な変更観測が報じられたことで約7%上昇した。一方で、テスラは目標株価の引き下げを受け5%近く下落した。市場は依然として政治・金融政策の影響を注視している。

米国株の上昇を支えた投資家心理と市場動向

米国株式市場は18日、主要3指数が上昇し、ダウ平均は0.8%、S&P500は0.6%、ナスダックは0.3%の上昇となった。特にS&P500とナスダックは4週連続で下落していたため、割安感を狙った買いが入り、市場全体に反発の兆しが見られた。

この反発の背景には、S&P500が直近の下落で10%の調整局面に達したことがある。CFRAリサーチのチーフ投資戦略家サム・ストーバル氏は、「市場は短期的な反発を期待している」と指摘しており、これが買い戻しの動きを促したとみられる。ただし、市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定を見極めようとしており、慎重な姿勢も見られる。

また、個別銘柄ではテスラが5%近く下落した一方で、インテルが7%上昇するなど、企業ごとの明暗が分かれた。特に半導体関連株はNvidiaの年次イベントに向けて期待感が高まり、量子コンピュータ関連のD-Wave Quantumなどが急騰した。市場の動きは依然として不安定であり、経済政策や企業動向が株価を大きく左右している。

FRBの政策据え置き観測と市場の期待

米連邦準備制度理事会(FRB)は、20日まで開催するFOMCで政策金利を据え置く見通しが強まっている。CMEのFedWatchツールによれば、市場は大方この決定を織り込んでおり、大きなサプライズはないとみられる。ただし、今回の会合では経済見通しが発表されるため、FRBの今後のスタンスがより明確になる可能性がある。

特に注目されるのは、米経済が直面する不確実性についてFRBがどのような見解を示すかである。トランプ政権の政策が経済成長に与える影響が議論されている中、FRBは慎重な姿勢を崩していない。市場では、FRBが利上げの選択肢を完全に排除するかどうかが焦点となり、今後の株価動向に影響を与えることが予想される。

加えて、現在のインフレ率と雇用情勢もFRBの決定に影響を与える要素となる。市場は、景気減速の兆候があればFRBがより緩和的な政策にシフトする可能性があると見ており、その期待感が現在の株価上昇の一因となっている。投資家はFOMC後の記者会見を注視し、FRBの今後のスタンスを探る姿勢を強めている。

AIと半導体セクターへの期待感が再燃

市場の動きの中で特に目立ったのが、半導体やAI関連銘柄への関心の高まりである。Nvidiaが開催する年次イベントを控え、投資家の期待が高まり、D-Wave QuantumやQuantum Corpなどの量子コンピュータ関連株が急騰した。AI技術の進化が続く中、この分野は市場の注目を集めており、投資家の資金が流れ込んでいる。

また、インテルは次期CEOであるリップ・ブー・タン氏が製造方法やAI戦略に大きな変更を加える可能性が報じられたことで、7%の急騰を見せた。半導体市場はAI需要の拡大に支えられ、今後も成長が見込まれるセクターの一つである。ただし、競争環境が激化しており、各社が技術革新を続けなければ市場での地位を維持するのは難しい状況となっている。

一方で、EV大手のテスラは、Mizuho証券による目標株価の引き下げを受け、5%近く下落した。これにより、ハイテク株の中でも明暗が分かれる結果となった。投資家は、個別企業の成長戦略だけでなく、全体のマクロ経済環境も注視しながら投資判断を行っている。今後の株価動向は、政策の行方や企業の業績によって左右されることが予想される。

Source:yahoo finance