Googleの最新ミッドレンジスマートフォン「Pixel 9A」が、2025年3月19日に発表される予定だ。Pixel 8Aよりも早いタイミングでの登場となり、新デザインや強化されたカメラ機能、最新のTensor G4チップを搭載することで注目を集めている。
カメラは48MPのGN8センサーを採用し、Pixel 9 Pro Foldと同じカメラモジュールを搭載。より明るいf/1.7の絞りにより、低照度環境でも高い撮影性能を発揮する。さらに、AIを活用した「Add Me」機能で撮影者自身を写真に追加できる新機能も導入される。
本体デザインは刷新され、カメラバーを廃止したフラットなピル型モジュールを採用。6.3インチのディスプレイやIP68等級の防水・防塵性能、高級感のあるガラスと金属フレームの組み合わせにより、上位モデルに近い質感を実現している。
▼関連記事▼
Pixel 9aの詳細が正式発表前に流出 ベンチマークやデザインが判明
Google Pixel 9aのベンチマークスコアが流出 最新モデルの実力は?
Pixel 9Aのカメラ進化 画素数よりもセンサー性能が鍵

Pixel 9Aのカメラは、前モデルのPixel 8Aの64MPセンサーから、48MPのGN8 Quad Dual Pixelセンサーへと変更された。画素数は減少したが、f/1.7の広い絞りによって、より多くの光を取り込み、暗所撮影の性能が向上している。さらに、このカメラモジュールはPixel 9 Pro Foldと同じものであり、上位モデルと同等の撮影体験が期待される。加えて、13MPの超広角カメラとフロントカメラも搭載し、風景撮影やセルフィーの品質も確保されている。
画素数が減少すると聞くと、一見すると画質が劣るように思えるかもしれない。しかし、実際にはピクセルサイズの大きさやセンサーの性能が重要であり、GN8センサーは高性能なピクセルビニング技術を活用することで、より鮮明でノイズの少ない写真を撮影できる。特に、暗所でのディテールの再現性が向上しており、ナイトモード撮影時の画質の向上が期待される。
さらに、新たに追加された「Add Me」機能は、AIを活用して撮影者自身をグループ写真に追加できる。従来、三脚やセルフタイマーを利用する必要があったが、この機能によって手軽に撮影が可能となる。特に旅行先やイベントでの集合写真では便利な機能となり、Pixel 9Aのカメラが単なるミッドレンジ機種のものではなく、より高度なAI技術を活かしたスマートな撮影体験を提供することを示している。
デザインの変革 フラットな新スタイルが生む高級感
Pixel 9Aでは、従来のPixelシリーズの象徴ともいえるカメラバーを廃止し、より洗練されたフラットなデザインへと進化した。ピル型のカメラモジュールを採用し、背面の一体感が増したことで、Pixel 9シリーズに近い高級感のある仕上がりとなっている。さらに、筐体の厚みは8.9mmと、Pixel 8Aの9.4mmよりも薄くなり、持ちやすさにも配慮されている。
Pixel Aシリーズでは初となるIP68等級の防水・防塵性能も備えており、日常使用における耐久性が向上した。また、従来のプラスチック製の背面から、ガラスと金属フレームを組み合わせたプレミアムな素材へと変更され、より堅牢で上質な触感を実現している。カラーバリエーションも豊富で、オブシディアン(黒)、ポーセリン(白)、ピオニー(ピンク)、アイリス(青紫)の4色展開となっている。
デザインの変更は単なる見た目の刷新にとどまらず、耐久性や持ちやすさ、触感といった実用面でもメリットが大きい。特に、金属フレームの採用により、過去のAシリーズで見られたフレームの歪みや剛性の弱さが改善される可能性が高い。Pixel 9Aは、コストパフォーマンスを重視しながらも、上位モデルに匹敵する外観と質感を持つスマートフォンへと進化している。
Tensor G4と7年間のアップデート ミッドレンジの概念を変える
Pixel 9Aには、Googleの最新チップセット「Tensor G4」が搭載されており、従来のG3チップと比較して効率性が向上している。8GBのLPDDR5X RAMと、128GBまたは256GBのUFS 3.1ストレージを備え、ミッドレンジスマートフォンながらハイエンド機に迫るパフォーマンスを発揮する。特に、AI処理能力が強化されており、リアルタイムの言語処理や写真編集機能がよりスムーズに動作するようになった。
バッテリー性能も進化し、Pixelシリーズ史上最大となる5,100mAhの大容量バッテリーを搭載。前モデルのPixel 8Aより13%増加しており、電力効率の向上と合わせて、より長時間の使用が可能となっている。充電速度は従来通りの23W有線充電と7.5Wワイヤレス充電に対応し、急速充電機能も継続される。
さらに、Pixel 9Aは発売時にAndroid 15を標準搭載し、Googleが保証する7年間のソフトウェアアップデート対象となる。これは、単にセキュリティアップデートだけでなく、OSのメジャーアップデートも含まれており、2032年までの長期使用が可能となる。ミッドレンジスマートフォンにおいて、これほど長期間のサポートを提供するのは異例であり、長く安心して使用できる端末としての価値が高まっている。
Tensor G4チップのパフォーマンスは、Snapdragon 8 Gen 3などの競合チップと比較すると処理性能の面でやや劣る可能性がある。しかし、Googleが自社開発したチップであるため、ソフトウェアとハードウェアの最適化が進んでおり、実際の使用感においてはスムーズな動作を期待できる。AI機能を活用したユーザー体験の向上という点では、他社のミッドレンジモデルよりも優位に立つ可能性が高い。
Source:Analytics Insight、CNET