近日発売が予定されているGoogle Pixel 9aのベンチマークスコアがリークされ、性能に関する議論が活発化している。AnTuTuでは約105万点を記録し、フラッグシップモデルのPixel 9と同等のスコアを示したが、Geekbenchではシングルコア1,530、マルチコア3,344という結果となり、前モデルのPixel 8aやPixel 9と比較してやや見劣りする数値となった。
AnTuTuスコアはPixel 9並み 実際のパフォーマンスはどうか

Pixel 9aのAnTuTuスコアは1,049,844と報じられており、これはフラッグシップモデルのPixel 9と並ぶ数値である。このスコアはCPUやGPU、メモリ性能、ユーザーエクスペリエンス全体を評価するもので、一般的な操作において十分なパフォーマンスを期待できる指標とされている。特にゲームやマルチタスクなど、スマートフォンに負荷がかかる場面でも快適に動作する可能性が高い。
しかし、AnTuTuスコアは総合的な指標であるため、個別の動作環境では違った印象を受けることもある。たとえば、Tensor G4がどれほどの持続的なパフォーマンスを発揮できるかは、発熱やバッテリーの最適化によって大きく左右される。ベンチマーク結果が安定していても、実際の使用ではサーマルスロットリングが発生し、ピーク時の性能が抑えられることも考えられる。
さらに、AnTuTuのスコアが高いからといって、すべてのアプリが最高のパフォーマンスを発揮するわけではない。たとえば、Google独自の最適化が進んでいるアプリではスムーズに動作する一方で、重い3Dゲームや処理負荷の高い編集ソフトなどでは競合他社のチップセットと比べて遅れを取ることもあるかもしれない。Pixel 9aのAnTuTuスコアは魅力的だが、実際の使用感についてはさらなる検証が必要だ。
Geekbenchスコアの低さが示す課題 最適化で改善の余地はあるか
Pixel 9aのGeekbenchスコアは、シングルコア1,530、マルチコア3,344と報じられている。これは前モデルのPixel 8a(シングルコア1,594、マルチコア4,171)よりも低い数値であり、フラッグシップモデルのPixel 9(シングルコア1,758、マルチコア4,594)とはさらに大きな差がある。特にマルチコアのスコアが下がっていることは、複数のアプリを同時に使用する際や、重い処理を行う場面で影響が出る可能性を示している。
この数値の低さの原因として考えられるのは、まずソフトウェアの最適化不足である。ベンチマークが実施されたのが正式リリース前のモデルであれば、最適化が不十分な状態だった可能性がある。最終的な製品版では、パフォーマンスが向上する余地があるかもしれない。
もう一つの要因として、発熱による性能低下(サーマルスロットリング)の影響も考えられる。Tensorシリーズのチップは発熱しやすい傾向があり、特に高負荷時に性能が落ちることがある。Pixel 9aが薄型軽量の設計を維持している場合、冷却性能が限られるため、長時間の高負荷処理には不向きな可能性もある。今後のソフトウェアアップデートや、実際の使用環境でのパフォーマンス検証が求められるところだ。
コストパフォーマンスに優れるが フラッグシップとの差はどうか
Pixel 9aは、ミッドレンジモデルとして$499(約7.5万円)から販売されると予想されている。この価格帯でTensor G4プロセッサや120HzのOLEDディスプレイを搭載する点は、スペック面では魅力的だ。しかし、フラッグシップモデルのPixel 9と比べると、いくつかの違いが際立つ。
特にカメラ性能では、Pixel 9がより高性能なセンサーを搭載しているのに対し、Pixel 9aはコストを抑えた仕様となる可能性が高い。さらに、Pixel 9は冷却システムの強化など、ハードウェア面での最適化が進んでいるため、長時間の使用時の安定性にも差が出るかもしれない。また、ワイヤレス充電や一部のプレミアム機能が省略される可能性も考慮する必要がある。
ただし、価格と性能のバランスを考えれば、Pixel 9aは十分に競争力のある選択肢となる。日常的な使用ではフラッグシップとの差を感じにくい場面も多く、特にコストパフォーマンスを重視するユーザーにとっては最適な1台となる可能性が高い。最終的な評価は、実機レビューや使用環境による違いを考慮して決めるのが良さそうだ。
Source:TechStory