カナダのマーク・カーニー首相は17日、米国のドナルド・トランプ大統領による「無礼な発言」が続く限り、両国間の本格的な協議は開始できないとの立場を示した。トランプ氏はカナダからの輸入品に対し厳しい関税措置を示唆する一方で、同国を「米国の51番目の州にする」と繰り返し発言しており、これに対しカーニー氏は「こうした発言は敬意を欠き、関係改善の妨げになる」と批判した。

カーニー氏は先週金曜日に首相に就任したばかりで、トランプ氏との直接対話はまだ行われていない。しかし、カナダ政府は米国との包括的な通商・安全保障関係を協議する意思を持っており、米側が対話の準備が整い次第、交渉に応じる構えを見せている。一方で、カナダは米国の関税措置に対抗し、数百億ドル規模の報復関税を実施しているものの、カーニー氏は「経済規模の違いを考慮すると、無制限な報復は不可能」と慎重な姿勢も示した。

カーニー首相の強硬姿勢と米加関係の行方

カナダのマーク・カーニー首相は17日、ロンドンでの記者会見で、トランプ大統領の発言が米加関係の障害となっていることを強調した。トランプ氏はカナダに対する高関税措置を検討する一方で、同国を「51番目の州にする」とたびたび発言しており、カーニー氏はこれを「敬意を欠いた発言」として批判した。

カーニー氏の発言は、彼が1月に政界入りして以来、トランプ氏に対して最も厳しいものとなった。彼は先週金曜日に正式に首相に就任したばかりであり、トランプ氏とはまだ直接の対話を行っていない。それにもかかわらず、就任直後にこれほど強硬な立場を示したことは、カナダ政府が対米関係において強い姿勢を取ることを示唆している。

一方、カナダ政府は米国との包括的な通商・安全保障交渉に前向きであるとし、トランプ氏の発言が収束すれば本格的な協議に入る準備があることを明らかにした。ただし、報復関税については慎重な対応を見せており、経済規模の違いから、米国と対等な関税措置を取ることには限界があるとの見方も示している。

トランプ氏の発言と関税措置がカナダ経済に与える影響

トランプ大統領の発言と関税措置の可能性は、カナダ経済にとって大きな脅威となる。米国はカナダ最大の貿易相手国であり、両国間の貿易総額は年間数千億ドルに上る。特に、自動車産業やエネルギー分野は米国市場への依存度が高く、関税措置が実行されれば、これらの産業に深刻な影響を与える可能性がある。

カナダ政府はすでに数百億ドル規模の報復関税を実施しているが、カーニー首相は「我々の経済は米国の10分の1の規模であり、関税の応酬には限界がある」と述べた。カナダが同額の関税を課すことは現実的ではなく、戦略的な対抗措置が求められている。

一方、米国にとってもカナダとの貿易関係の悪化は決して利益にはならない。カナダは米国のエネルギー供給の主要国であり、多くの米企業がカナダ市場に依存している。経済的な相互依存関係を考えれば、両国の対立が長期化すれば、米国経済にも悪影響を及ぼすことは避けられない。

米加関係の今後とカーニー政権の課題

カーニー首相は、トランプ大統領との関係をどのように構築するかという難題に直面している。彼は、国際金融界での豊富な経験を持つものの、政治家としてはまだ新参者である。そのため、対米交渉において、どのような戦略を取るのかが注目されている。

トランプ氏の発言が続く限り、米加関係の正常化は困難を極める。カーニー氏は強硬な姿勢を示しつつも、米国との協議を重視する姿勢を見せており、今後は両国の外交交渉の行方が焦点となる。カナダにとって重要なのは、対米貿易の安定化だけでなく、安全保障を含む包括的な関係を維持することである。

カーニー政権にとって、トランプ政権の政策に適切に対応しつつ、国内の経済成長を維持することが求められる。関税の応酬が長引けばカナダ経済に悪影響を及ぼしかねないため、慎重な外交と経済戦略が不可欠となるだろう。

Source:reuters