NVIDIAは次世代AI向けGPU「Rubin」「Rubin Ultra」と新たなCPU「Vera」を発表し、2026年から2027年にかけて本格投入する計画を明らかにした。現行の「Blackwell Ultra」から大幅な性能向上を果たし、最大100PFLOPS(FP4)の計算能力と1TBのHBM4メモリを実現する見込みだ。
2026年後半には「Vera Rubin NVL144」と「Vera Rubin NVL576」が登場し、FP4推論性能3.6エクサFLOPS、FP8トレーニング性能1.2エクサFLOPSを記録。翌年には「Rubin Ultra NVL576」が投入され、FP4推論性能は15エクサFLOPSへと飛躍する。
これらの新プラットフォームにより、データセンター向けAI計算の処理能力は飛躍的に向上し、大規模AIモデルの学習や推論の効率が劇的に改善されることが予想される。NVIDIAはAI市場における主導権をさらに強化し、次世代AIコンピューティングの新たな基盤を築くことになるだろう。
NVIDIAの次世代AIプラットフォーム「Rubin」と「Vera」がもたらす技術的飛躍

NVIDIAは次世代AI向けプラットフォームとして「Rubin」「Rubin Ultra」、そして新CPU「Vera」を発表し、AIコンピューティングの新たな局面を迎えることになる。2026年後半に投入される「Vera Rubin NVL144」および「Vera Rubin NVL576」は、現行の「Blackwell Ultra」を大きく超える性能を実現する。特に「NVL144」は、88コアのVera CPUと2リテイクルサイズのGPUチップを採用し、最大50PFLOPS(FP4)の処理能力を誇る。
一方、2027年後半に登場予定の「Rubin Ultra NVL576」は、GPUを4リテイクルサイズに拡張し、FP4推論性能100PFLOPSを達成。加えて、HBM4eメモリを16基のHBMサイトに分散し、合計1TBのメモリを搭載する。この大容量メモリにより、膨大なパラメータを持つ大規模AIモデルの処理が可能となり、機械学習の学習時間短縮や推論の効率向上が期待される。
現行の「GB300 NVL72」と比較すると、NVL144は3.3倍、NVL576は14倍の性能向上を果たす。これは単なる処理能力の向上にとどまらず、次世代AIモデルの開発において極めて重要な要素となる。AI研究の最前線では、処理速度の向上が新たなアルゴリズムやモデルの実用化を促進し、従来は困難だった大規模なシミュレーションやリアルタイム推論を可能にするからだ。
大規模データセンター向けAI計算基盤としての「Rubin Ultra」の意義
NVIDIAが「Rubin Ultra」を発表した背景には、大規模データセンター向けのAI計算基盤としての需要の高まりがある。AI推論やトレーニングの負荷は年々増大し、従来のGPUアーキテクチャでは処理能力が追いつかなくなりつつある。特に、生成AIの爆発的な成長に伴い、学習モデルのパラメータ数は急激に増加し、それに対応するためには飛躍的な性能向上が不可欠となっている。
「Rubin Ultra NVL576」は、この課題に対応するため、膨大な演算処理能力と高速データ転送技術を統合している。特筆すべきは、HBM4eメモリ帯域幅が4.6PB/sに達し、従来比で圧倒的なデータ処理能力を実現する点である。これにより、トレーニング時間が大幅に短縮され、AIの開発スピードそのものが加速することになる。
また、NVIDIAは「Obereonラック」を採用し、液冷技術による効率的な冷却システムを実装することで、消費電力の最適化も図っている。これは、AIインフラの持続可能性を高める重要な要素となり、エネルギー消費の抑制という視点でも大きな意味を持つ。AIの普及が進む中で、消費電力の増大は深刻な課題となっており、効率的な冷却技術の導入はデータセンターの運用コスト削減にも寄与するだろう。
NVIDIAの戦略とAI市場における影響
NVIDIAは「Rubin」「Rubin Ultra」「Vera CPU」の導入により、AI市場におけるリーダーシップをさらに強固なものにしようとしている。現在、AI分野では競争が激化しており、AMDやIntelも次世代AIチップの開発を加速させている。しかし、NVIDIAはGPUと専用インターコネクト技術を組み合わせた統合プラットフォームを提供することで、圧倒的な競争優位性を築いている。
特に「NVLINK」や「CX9」といった専用接続技術は、AIワークロードに最適化されており、システム全体のスループットを向上させる役割を果たす。これにより、単一のチップ性能だけでなく、複数のGPUを連携させた並列処理の効率も飛躍的に向上する。データセンター向けAIインフラとしてのNVIDIAの支配力は、こうした技術革新によってさらに拡大すると考えられる。
今後、AI市場ではますます大規模な計算リソースが求められるようになる。NVIDIAの最新プラットフォームは、こうしたニーズに応える形で進化を遂げており、生成AIや自律型システム、ロボティクスといった最先端分野における応用が期待される。AI技術の進化がもたらす社会変革の中で、「Rubin」「Rubin Ultra」が果たす役割は極めて大きいと言えるだろう。
Source:Wccftech