Samsungは2025年の最新テレビおよびサウンドバーの展示ツアーを継続しており、次の発表の場としてドイツ・フランクフルトの「2025 Europe Tech Seminar」を選んだ。このイベントでは、Neo QLEDやOLEDシリーズの最新モデルを含む製品群が披露され、AIによる画像・音響技術の進化が紹介される。

今回の展示では、Glare Free 2.0を搭載したOLED、AIアップスケーリング強化のNeo QLED 4K、ミニLEDバックライト採用のThe Frame Proなど、各シリーズの進化が際立つ。さらに、Dolby Atmosの競合となるEclipsa Audioや新たなAI機能も発表される予定だ。

SamsungはCES 2025で新製品を発表したものの、これまでの戦略通り、世界各地のイベントで技術披露を重ねながら正式発売へと進む。既に一部市場では事前登録が始まっており、公式ストアでは早期登録者向けの特典も提供される見込みだ。

2025年モデルのNeo QLEDとOLEDが進化 AI技術で映像・音質を強化

Samsungは2025年の最新テレビラインナップとしてNeo QLEDとOLEDシリーズを発表している。今回のモデルではAIを活用した映像と音響の強化が大きな特徴となる。Neo QLED 4KはHDRの強化に加え、AIアップスケーリングの精度が向上。さらに「Motion Enhancer」機能を搭載し、スポーツやアクション映画の動きの滑らかさを向上させている。

一方、OLEDモデルはGlare Free 2.0という新技術を採用し、外光の反射を大幅に抑制。これにより、明るい部屋でも高いコントラストと鮮明な映像が維持される。また、第3世代4K AIアップスケーリング技術を搭載し、低解像度コンテンツでも高精細な映像を再現可能だ。

Samsungのテレビは従来からAI技術を活用してきたが、2025年モデルではより高度な映像処理と音響補正が実現されている。特に音響面では、Dolby Atmosの競合技術として開発された「Eclipsa Audio」が登場し、従来のサラウンド技術とは異なる新たな音響体験が提供される見込みだ。

ライフスタイルテレビも進化 The Frame ProがミニLED搭載で高画質化

Samsungのライフスタイルテレビ「The Frame」シリーズにも大きな進化が見られる。新たに発表された「The Frame Pro」は、従来のThe Frameとは異なり、ミニLEDバックライトを搭載したQLEDパネルを採用。この技術により、通常の液晶モデルに比べてコントラスト比が向上し、より深みのある黒と鮮やかな色彩表現が可能となった。

The Frameは美術館のようにアートを楽しめるディスプレイとして人気を集めているが、今回のモデルでは画質向上だけでなく、反射の抑制や視野角の改善も施されている。さらに、AIを活用した画像処理機能により、ディスプレイ上の作品が実際のキャンバスのように見えるよう調整される機能も追加された。

これまでThe Frameはデザイン性を重視したモデルとして位置付けられていたが、The Frame Proの登場により、画質にもこだわるユーザーにとっても魅力的な選択肢となる。デザインと性能の両立が図られたことで、単なる装飾的なテレビではなく、本格的な視聴体験を提供するモデルへと進化している。

AI機能と音響技術の進化 SamsungとGoogleが手掛けるEclipsa Audioとは

Samsungは2025年モデルのテレビとサウンドバーに新たなAI技術を導入している。その中でも注目されるのが、Googleと共同開発した「Eclipsa Audio」だ。これはDolby Atmosの競合技術とされており、より没入感のある立体音響を提供することを目的としている。

Eclipsa Audioは従来のオブジェクトベースのサウンド処理とは異なるアプローチを採用しているとされ、AIを活用してリアルタイムで音場を調整するのが特徴。これにより、リスニング環境に応じた最適な音響体験が実現されるという。特に、映画やゲームのシーンごとに適したサウンドプロファイルを自動的に適用する機能が備わっている点が魅力だ。

Samsungはこれまでもサウンドバーとテレビの組み合わせによる音響強化を進めてきたが、Eclipsa Audioの導入によって、さらなる没入感を追求している。Googleとの協業による新技術が、今後の家庭用オーディオの標準となる可能性もあり、その性能と実際の使用感には注目が集まるだろう。

Source:SamMobile