著名投資家であり、「Mad Money」司会者のジム・クレイマーが、Nvidia(NASDAQ: NVDA)の株価が意図的に操作されていると強く主張した。3月17日、彼はX(旧Twitter)で、同銘柄がプレマーケットで急騰した後、市場が開くと下落したことを指摘し、これが一部の投資家による操作の結果である可能性を示唆した。
クレイマーは、時価総額3兆ドル規模のNvidiaでさえ、わずか数百万ドルの資金で価格を動かせるとし、「信じがたいが、事実だ」と強調。市場全体の出来高が少ない時間外取引において、一部の投資家が意図的に価格を操作し、その影響が本取引時間にまで及んでいると警鐘を鳴らした。
Nvidiaの株価は年初来で11.36%下落し、1月の最高値から22.27%下落している。成長鈍化や中国との競争激化、貿易摩擦など複数の要因が背景にあるが、クレイマーの指摘する市場操作の影響も無視できない。市場の健全性が問われる中、今後の動向が注目される。
ジム・クレイマーの指摘する「Nvidia株の操作」とは何か

ジム・クレイマーは3月17日、Nvidiaの株価がプレマーケットで急騰した後、市場開始と同時に急落したことを問題視した。彼は、わずか数百万ドル規模の資金で時価総額3兆ドルの企業の株価が動かされたことを「操作」と断じ、X(旧Twitter)上で警鐘を鳴らした。クレイマーは、こうした動きがGPUテクノロジーカンファレンス(GTC)前に意図的に行われた可能性を示唆し、プレマーケットの取引が株価に不自然な影響を与えていると主張した。
実際、時間外取引では市場の出来高が少ないため、比較的小規模な取引でも株価を動かしやすい。Nvidiaに限らず、大型株であっても時間外取引では価格が大きく変動することがあり、市場操作の疑惑が浮上しやすい環境がある。クレイマーの指摘は、こうした構造的なリスクを改めて市場に提示するものとなった。
一方で、彼の発言には異論もある。株価の変動が意図的な操作によるものなのか、それとも短期投資家の投機的な売買による自然な動きなのかは、明確には判断できない。特に、GTCのようなイベントを前に投資家心理が過熱することは珍しくなく、単なる市場の動きとして解釈する向きもある。クレイマーの主張が市場全体の構造的問題を示している可能性がある一方で、その根拠の明確化が求められる。
Nvidia株の下落要因 市場環境と企業の現状
Nvidiaの株価は2025年に入ってから下落傾向が続いており、1月6日に記録した最高値153.13ドルから22.27%下落している。年初来(YTD)では11.36%の下落となり、2024年までの急成長とは対照的な動きを見せている。クレイマーの指摘する「市場操作」以外にも、複数の要因がNvidiaの株価下落を引き起こしている。
まず、中国をはじめとする競争環境の変化が影響している。特にAI半導体市場において、中国企業が技術力を高めており、米国の半導体大手と競争を繰り広げている。さらに、米中間の貿易摩擦が継続し、米国政府の対中規制が強化される中で、Nvidiaの中国市場での事業展開に不確実性が増している。これらの要因が、投資家の慎重な姿勢を促している。
また、経済全体の不透明感も影響している。米国経済に対する不信感が広がる中、ハイテク株全体が調整局面に入っており、Nvidiaも例外ではない。特に、過去数年間に急激な成長を遂げた企業には「過大評価」の懸念がつきまとい、株価の下落圧力となることが多い。市場のセンチメントが変化する中で、Nvidiaは成長の持続性を証明する必要に迫られている。
時間外取引が生む市場操作のリスクと規制の必要性
クレイマーが指摘するように、時間外取引は市場操作が容易になりやすい環境を提供している。通常の取引時間中に比べて出来高が極端に少ないため、小規模な資金でも株価を動かしやすい。特に、大型株であってもこの影響を受けることがあり、Nvidiaのような企業の株価が短期間で大きく変動することも珍しくない。
こうした市場環境を背景に、一部の投資家が意図的に価格を操作しようとする可能性は否定できない。プレマーケットやアフターマーケットでは機関投資家が主導権を握ることが多く、個人投資家が正確な価格形成に基づいた取引を行うことが難しくなる。規制の強化や透明性の向上が求められる中、市場監視機関の対応が今後の焦点となる。
しかし、規制を強化することで市場の流動性が損なわれる可能性もある。時間外取引は、機関投資家にとってリスクヘッジの手段でもあり、完全に制限することは現実的ではない。市場の健全性を維持しつつ、時間外取引の透明性を高めるための対策が求められるだろう。クレイマーの発言が市場全体の問題提起となり、今後の規制議論のきっかけとなるかが注目される。
Source:Finbold