世界的なインフレ圧力が続く中、資産価値を守る投資戦略が求められている。特に低コストかつ安定した収益を狙う投資家にとって、Vanguardの2つのETFが注目を集めている。

Vanguard Utilities ETF (VPU) は、電力や水道などの公益企業に投資し、景気変動の影響を受けにくい安定収益を提供する。規制による価格維持や再生可能エネルギーの拡大も追い風となり、配当利回りは2.9%に達する。

一方、Vanguard International High Dividend Yield ETF (VYMI) は、米国外の高配当企業に分散投資し、4.97%の配当利回りを実現する。先進国と新興国の優良企業を含み、グローバルな分散効果が期待される。どちらも低コストであり、インフレに強い投資手段として有力だ。


Vanguard Utilities ETFの安定性と成長性 インフレ下での強みとは

Vanguard Utilities ETF(VPU)は、米国の公益事業セクターを対象としたETFであり、安定した収益をもたらす特性を持つ。電力、ガス、水道といった必須インフラ企業に投資し、これらの企業は需要が一定であるため景気変動の影響を受けにくい。加えて、政府による価格規制が収益の安定性を支えており、インフレ時にも強みを発揮する。

VPUの最大の魅力は、長期的なリターンと高い配当利回りの両立にある。現在の配当利回りは2.9%で、年初来リターン(YTD)は約5%の上昇を記録している。さらに、過去10年間の年率リターンは9.15%と、安定した成長を続けている。経費率も0.09%と低水準で、長期的にコストを抑えながら運用できる点も投資家にとって魅力的だ。

近年、公益企業の成長要因として、再生可能エネルギーの導入が進んでいる点が挙げられる。特に、AIデータセンターの急拡大により電力需要が増大しており、公益事業セクターの将来的な成長を後押しする要素となっている。これらの要因を踏まえると、VPUは安定性と成長性を兼ね備えたインフレ対策ETFとして、投資家の注目を集め続けるだろう。

Vanguard International High Dividend Yield ETFが提供するグローバルな分散投資の利点

Vanguard International High Dividend Yield ETF(VYMI)は、米国外の高配当企業に分散投資することで、地域リスクを抑えながら安定した収益を狙うETFである。追跡するFTSE All-World ex US High Dividend Yield Indexは、先進国および新興国市場の1,491銘柄で構成されており、地域別の割合はヨーロッパ45%、太平洋地域25%、新興市場20%とバランスの取れた配分となっている。

VYMIの主要保有銘柄には、ノバルティス、ロシュ・ホールディング、トヨタ自動車、ネスレといったグローバル企業が名を連ねる。これらの企業は、各国市場において確固たる地位を築いており、インフレ局面でも安定した配当を支払い続ける能力を持つ。特に、4.97%という高い配当利回りは、S&P500の配当利回りの約3倍に相当し、配当を重視する投資家にとって魅力的な選択肢となる。

グローバルな分散投資は、地域ごとの経済リスクを分散させる効果がある。例えば、米国市場が不調に陥った場合でも、ヨーロッパや新興国市場の好調な企業から配当収益を得ることができる。このように、VYMIは米国外の成長企業を活用しながら、安定的な収益確保を目指すETFとして、ポートフォリオのリスクヘッジに適している。

低コストかつインフレ耐性のあるETF 長期投資に適したVPUとVYMI

VanguardのETFが投資家に支持される理由の一つは、低コストで運用できる点にある。VPUの経費率は0.09%、VYMIは0.17%と、他のアクティブ運用型ファンドと比較して大幅にコストが抑えられている。長期投資において経費率はリターンに大きな影響を与えるため、この低コスト設計は資産形成において重要な要素となる。

また、インフレ耐性の観点からも、VPUとVYMIは優れた特徴を持つ。VPUは公益事業の安定性を活かし、景気後退局面でも安定した収益を提供する。一方、VYMIは世界の高配当企業に分散投資することで、インフレ環境でも強固な収益基盤を維持する仕組みを持つ。これにより、どちらのETFもインフレの影響を受けにくい資産として機能する。

特に、VPUは米国の規制産業を中心とし、価格変動の影響を抑えながら安定的に収益を確保するのが強みである。一方、VYMIはグローバルな分散効果により、特定の地域経済の影響を受けにくい設計となっている。このように、両ETFは異なるアプローチでインフレ耐性を高めており、ポートフォリオの防御力を高める手段として有効な選択肢と言える。

Source:Finbold