MicrosoftはWindows 11の最新ビルド「26100.3613(KB5053656)」をRelease Previewで公開した。今回のアップデートでは、Copilot+ PC向けのライブキャプション機能強化や、IT管理者向けの新しい設定ページが追加されるなど、多数の改良が含まれている。
特に注目すべきは、ゲームパッドを利用した入力機能の追加だ。Xboxコントローラーでのテキスト入力が可能になり、ボタン操作の最適化も図られた。また、タスクバーに絵文字パネルのショートカットが追加され、入力の利便性が向上している。
その他、音声アクセスの強化や、ファイルエクスプローラー、リモートデスクトップの安定性向上など、全体的な使い勝手の向上が図られている。新機能は段階的に展開される見込みだ。
ゲームパッドキーボードが追加 Xboxコントローラーでの入力が進化

Windows 11の最新アップデートでは、ゲームパッドキーボードが導入され、Xboxコントローラーを使った文字入力が可能になった。これにより、ゲーム中でもスムーズなチャットができるようになり、ナビゲーションの利便性も向上している。従来のタッチキーボードと異なり、ボタンの配置が最適化され、Xボタンでバックスペース、Yボタンでスペースを入力するなどの新たなショートカットが追加された。
特に、縦方向に整列したキー配置は、ゲームパッドの操作性を活かした設計となっている。これまで、ゲーム中のテキスト入力は、物理キーボードやスクリーンキーボードを使う必要があったが、新機能により、コントローラーのみでより快適な入力が可能になった。ボイスチャットを利用しないユーザーや、ゲーム実況中に素早くメッセージを送る必要がある場面でも役立つだろう。
今後、この機能がどのように拡張されるかが注目される。たとえば、ショートカットのカスタマイズ機能や、特定のアプリとの連携が進めば、より幅広い用途で活用できる可能性がある。ゲームだけでなく、リモートワーク時の簡易入力や、リビングPCの操作などにも応用できるかもしれない。
Copilot+ PC向けに強化されたライブキャプション 翻訳機能も進化
今回のアップデートでは、Copilot+ PCに向けたライブキャプション機能が強化され、リアルタイムの翻訳対応言語が44以上に拡張された。これにより、動画視聴時だけでなく、オンライン会議やストリーミング配信でも、より多くの言語を英語に変換しながら利用できる。さらに、Snapdragon搭載のCopilot+ PCでは、中国語(簡体字)への翻訳も可能になり、対応範囲が広がった。
この機能の拡張により、言語の壁を越えてコンテンツを楽しむハードルが下がる。たとえば、日本語話者が英語の配信を視聴する際、英語字幕をそのまま理解できない場合でも、よりスムーズに情報を得ることができるようになる。ビジネスシーンでも、英語が主要言語の会議でリアルタイム字幕を活用すれば、コミュニケーションの精度が向上するだろう。
一方で、翻訳精度がどの程度向上しているのかは、今後のユーザーのフィードバック次第となる。自動翻訳技術は日々進化しているが、文脈に応じた適切な訳出が求められる場面では、精度に課題が残る可能性もある。ただし、AIの学習が進めば、より自然な翻訳が実現され、さまざまな場面での利便性が高まることが期待される。
設定や入力関連の改良が多数 使い勝手の向上に注目
Windows 11の今回のアップデートでは、設定メニューや入力機能にも多くの改善が施された。IT管理者向けには、新たに企業向け設定ページが追加され、デバイス情報やアクセシビリティ関連の項目がより分かりやすく整理されている。また、「システム」→「バージョン情報」にトップカードが追加され、CPUやRAM、ストレージ情報を一目で確認できるようになった。
入力関連では、タスクバーに絵文字パネルのショートカットが追加され、特殊記号の入力がより手軽になった。これまで、絵文字や特殊記号を使う際は、特定のショートカットキーを覚える必要があったが、タスクバーから直接アクセスできるようになったことで、利便性が大幅に向上する。また、ctfmon.exeに関する複数の不具合が修正され、入力中の予期しない再起動やフリーズの発生が抑えられた。
これらの改善により、日常的にPCを活用するユーザーにとって、操作性の向上が期待される。特に、入力の快適さは作業効率にも影響を与えるため、細かなアップデートが積み重なることで、全体のユーザー体験が向上する可能性がある。今後も、こうした細部のブラッシュアップが続くかに注目したい。
Source:Neowin