GTC 2025でPNYが新型NVMe SSD「CS2342」を発表した。このモデルは同社初のM.2 2230フォームファクターを採用し、Steam DeckやROG Ally、MSI Clawといった携帯型ゲーミングPC向けに設計されている。

CS2342はPCIe Gen4対応で、最大7300MB/sの読み取り速度と6000MB/sの書き込み速度を実現。ただし、専用DRAMキャッシュは搭載されず、HMB技術によってシステムメモリをキャッシュとして利用する。

PNY CS2342の特徴とスペック 携帯型ゲーミングPC向けの進化

PNYが発表したCS2342は、M.2 2230フォームファクターを採用したPCIe Gen4対応SSDである。このサイズのSSDは、携帯型ゲーミングPCの内部ストレージ拡張に最適な仕様となっている。特に、Steam DeckやROG Ally、MSI Clawなどのデバイスでの使用を想定しており、コンパクトながらも高い転送速度を誇る。

CS2342のスペックは、最大7300MB/sのシーケンシャル読み取り速度、最大6000MB/sの書き込み速度を実現する。これは、従来のGen3 SSDと比較して飛躍的な性能向上となる。ただし、DRAMキャッシュを搭載せず、HMB(ホストメモリバッファ)技術によってシステムメモリをキャッシュとして利用するため、負荷が高い環境ではDRAM搭載モデルと比べて性能差が出る可能性もある。

耐久性に関しては、MTBF(平均故障間隔)が1,500,000時間とされており、一般的な使用では長期間の運用が可能と見られる。TBW(書き込み可能な総データ量)については現時点で未公開だが、高速なストレージが求められる携帯型PCにおいて、CS2342は有力な選択肢となるだろう。

1TBと2TBモデルの価格設定 コストパフォーマンスは魅力的か

PNY CS2342は、1TBモデルが$69.99、2TBモデルが$134.99という価格で提供される。これにより、ストレージ拡張を検討しているユーザーにとって、比較的手が届きやすい選択肢となる。特に、Steam Deckの内蔵SSDを交換する場合、M.2 2230サイズのストレージは選択肢が限られていたため、価格帯と性能のバランスを考慮するとCS2342は魅力的な存在となる。

市場にある他の同サイズSSDと比較すると、CS2342は最新のPCIe Gen4対応製品の中では競争力のある価格設定だ。しかし、ランダム読み書きのIOPS値が公開されていないため、実際のゲームロード時間や大容量データの転送速度がどの程度のパフォーマンスを発揮するかは、今後のレビュー次第となる。

また、Asus ROG Ally XのようにM.2 2280にも対応しているデバイスでは、ストレージの選択肢が広がるため、あえて2230サイズを選ぶメリットがどこにあるかを考慮する必要がある。小型デバイス向けとはいえ、利用環境に応じたストレージの選定が求められるだろう。

Windows 11環境での動作 互換性と性能に注目

Steam DeckではSteamOSが標準搭載されているが、ROG AllyやMSI ClawはWindows 11を採用している。そのため、CS2342がWindows 11環境でどのようなパフォーマンスを発揮するかは注目すべきポイントとなる。現在、一部のユーザーの間では、Windows 10の方が動作が軽快であるとの意見もあり、Windows 11での最適化が課題として挙げられている。

PNY CS2342はPCIe Gen4対応SSDとして高性能なスペックを持つが、実際のゲーミング環境での違いはOSやドライバの最適化にも左右される。特に、HMB技術を利用する構造上、Windows 11のメモリ管理との相性がどう影響するかが鍵となるだろう。また、Windows 11のアップデートによってSSDのパフォーマンスに変化が生じる可能性もある。

今後、CS2342を実際に使用したユーザーのレビューが出揃えば、Windows 11環境での動作状況がより明確になるはずだ。特に、ロード時間の短縮やゲームのスムーズな動作にどれだけ貢献するのか、実際の使用感が明らかになれば、導入を検討するユーザーにとって重要な判断材料となるだろう。

Source:Neowin