サムスンの新型チップExynos 2500の開発が難航しており、廉価版折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip FE」の発売が遅れる可能性が指摘されている。韓国メディアによると、同チップの生産計画が未確定であることから、サムスンはFlip 7の発売後、数カ月遅れでFlip FEを投入することを検討しているという。
Exynos 2500は当初、パフォーマンス向上とAMD製GPUの採用が噂されていたが、サムスンのLSI部門とファウンドリー部門が開発で深刻な問題に直面し、予定されていた量産が実現しなかった。これにより、フラッグシップ向けの採用も困難となり、サムスンがQualcomm製チップへの移行を余儀なくされる可能性が高まっている。
一方で、サムスンは次世代チップExynos 2600の開発を加速させており、専用のタスクフォースを設置するなど対策を講じていると報じられている。Exynos 2600はGalaxy S26シリーズでの採用が見込まれているが、それまでの間、折りたたみスマートフォン市場にどのような影響を及ぼすかが注目される。
Exynos 2500の開発遅延が引き起こすGalaxy Z Flip FEの発売スケジュールへの影響

サムスンが開発を進めていたExynos 2500は、当初の計画通りに量産が進まず、スマートフォンの発売スケジュールに大きな影響を及ぼしている。韓国メディアの報道によると、同チップの生産計画は現時点で確定しておらず、Galaxy Z Flip FEのリリースはGalaxy Z Flip 7の発売後「数カ月遅れる」可能性が高いという。
この遅れの要因として、サムスンのLSI部門とファウンドリー部門がチップの開発で深刻な問題に直面していることが挙げられる。2024年中に量産へ移行する予定だったExynos 2500は、様々な技術的課題のために予定通り進まず、現在も製造計画が定まらない状況にある。特に、AMDのRDNAベースのXclipse 950 GPUを搭載する設計がパフォーマンスと消費電力のバランスを取る上で障害となっているとされる。
この影響により、サムスンはGalaxy Z Flip FEの発売戦略を再考する必要がある。仮にExynos 2500の開発がさらに長引けば、同モデルはSnapdragonチップに切り替えざるを得ない可能性もある。ただし、サムスンはExynosチップの自社開発を推進しているため、最終的な選択がどうなるかは依然として不透明である。
Exynos 2500が目指していた技術革新と開発の壁
Exynos 2500は、従来のExynosシリーズから大幅な進化を遂げる予定だった。10コア構成を採用し、Cortex X-5 CPUを搭載することで3.2GHz~3.3GHzの動作クロックを実現すると見られていた。加えて、Cortex-A730コアを3つ採用し、パフォーマンスと省電力性能のバランスを強化する計画だった。
さらに、GPUにはAMDのRDNAアーキテクチャを採用したXclipse 950を組み込み、グラフィック性能の大幅な向上を狙っていた。しかし、これらのアップグレードは設計の複雑化を招き、特に熱設計や消費電力管理に関して予想以上の課題が発生したと報じられている。また、サムスンの3nmプロセスの歩留まりが依然として安定せず、大量生産が難航していることも開発遅延の一因とされる。
Exynos 2500が当初目指していた技術的進化が実現すれば、Galaxy Z Flip FEだけでなく、将来的な折りたたみスマートフォンの性能向上にも大きく貢献するはずだった。しかし、現在の状況を考えると、同チップが市場に投入される時期やその完成度には依然として不確定要素が多い。結果として、サムスンは今後のラインナップにどのような影響を及ぼすか慎重に見極める必要がある。
Exynos 2600の開発加速とサムスンの長期戦略
Exynos 2500が計画通りに進まない一方で、サムスンは次世代のExynos 2600の開発に本格的に取り組んでいる。韓国の報道によると、同社はExynos 2600の開発を「急務」として位置づけ、専用のタスクフォースを設置したという。これは、Exynos 2500の遅れを補う形で新しいチップの開発を前倒しし、次の世代のスマートフォンに間に合わせる狙いがあると見られる。
現時点ではExynos 2600の詳細な仕様は明らかになっていないが、サムスンがこのチップをGalaxy S26シリーズに採用する計画を進めていると報じられている。もしこの開発が順調に進めば、サムスンのExynosシリーズは再び競争力を取り戻すことができるかもしれない。しかし、Exynos 2500の問題が解決しない限り、同じような技術的課題が2600シリーズにも影響を及ぼす可能性は否定できない。
サムスンが長年続けてきたExynosシリーズの強化は、同社のスマートフォン事業全体にとって重要な戦略の一部である。しかし、現在の技術的課題を克服しなければ、今後のモデルでもQualcomm製チップを採用する選択肢を模索せざるを得ない状況が続く可能性がある。Exynos 2600の成功が、サムスンの自社チップ戦略の未来を左右する重要なポイントとなりそうだ。
Source:Android Central