パランティア・テクノロジーズの株価は、2月18日の最高値から26%下落し、過去1カ月間ほぼ低迷している。2024年にはS&P500のトップパフォーマーとなり、1年間で266.9%上昇した銘柄であったにもかかわらず、突然の急落が市場の注目を集めている。

株価下落の背景には、トランプ前大統領が先月署名した国防予算の年間8%削減計画がある。2024年のパランティアの売上の42%が米国政府との契約によるものであり、この政策が業績への懸念を生じさせた。しかし、第4四半期の売上は前年同期比36%増、顧客数は43%増と好調を維持している。さらに、人工知能プラットフォーム(AIP)の需要拡大により、今後の成長が期待される。

パランティアは、Zacksの格付けで「買い(Rank #2)」とされており、2025年の予想利益成長率は36.6%に達する見込みだ。収益基盤の拡大とAI市場への進出が進めば、長期的に株価上昇の可能性は十分に残されている。

パランティア株の急落要因とその背景

パランティア・テクノロジーズの株価は、2月18日の最高値から26%下落した。この急落の主な要因は、トランプ前大統領が署名した国防予算削減計画にある。年間8%の削減を5年間継続する方針が示されたことで、パランティアの主要収益源である米国政府向け事業の先行きに不透明感が生じた。2024年の同社の収益の約42%が政府案件に依存しており、国防関連支出の抑制が売上減少につながる可能性がある。

また、パランティア株の急成長を支えたAI分野の成長が、必ずしも業績向上に直結していないことも市場の懸念材料となっている。2020年の売上成長率は47%だったが、2024年には29%に減速。生成AIの普及が競争環境を激化させ、パランティアが優位性を維持できるか不透明な状況が生まれている。これらの要因が投資家の売りを誘い、短期的な株価の下落につながった。

一方で、同社の株価が2024年にS&P500のトップパフォーマーであり、1年間で266.9%上昇した事実もある。急落後も依然として高水準にあることを考慮すれば、今回の下落は過去1年の急激な成長に対する調整局面とも捉えられる。

依然としてパランティア株が買いとされる理由

株価の下落が続く中でも、パランティアに対する強気の見方は根強い。その根拠の一つが、同社の第4四半期の業績である。売上は前年同期比36%増加し、顧客数も43%増加。特に、政府依存から脱却し、民間企業向けの事業拡大が進んでいる点が注目される。現在、パランティアの収益基盤は着実に多様化しつつあり、これは長期的な成長を支える要因となる。

また、人工知能プラットフォーム(AIP)の市場拡大も追い風となる。AIPは、既存顧客だけでなく新規顧客の関心も集めており、業務の自動化ニーズの高まりとともに成長が期待される。特に、同社のAI技術は高度なデータ分析能力を有し、他のAI企業と一線を画している。

さらに、Zacksの株式格付けで「買い(Rank #2)」と評価されていることも投資家の信頼を支えている。2025年の予想利益成長率は36.6%であり、1株当たり利益(EPS)予想は前年の40%増となる56セントに達すると見込まれている。業績の堅調な成長が続けば、長期的には株価の回復が見込まれる。

AI市場におけるパランティアの今後の展望

パランティアの成長戦略の要となるのが、人工知能技術の進化である。同社のAI技術は、データ解析を中心にした高度な運用能力を持ち、政府や民間企業の意思決定を支援する役割を果たしている。今後、データ駆動型の経済が進展するにつれ、パランティアの技術が果たす役割も拡大すると予測される。

特に、AIPの活用範囲の拡大は、同社の市場競争力を押し上げる要因となる。AIPは、従来のデータ分析業務を自動化し、人的リソースの負担を軽減するため、多くの企業が導入を進めている。これにより、パランティアは企業向けの契約を増やし、収益の安定化を図ることができる。

ただし、生成AI市場の競争激化により、パランティアが市場での優位性を維持できるかは未知数である。競合他社もAI技術の開発を加速させており、パランティアがどのように差別化を図るかが今後の成長を左右する要素となる。こうした環境下で、政府依存から脱却し、民間市場でのシェア拡大を進めることが、長期的な成長戦略の鍵となるだろう。

Source:yahoo finance