025年に注目すべき3銘柄として、Broadcom(AVGO)、JPMorgan Chase(JPM)、Qualcomm(QCOM)が挙げられている。Broadcomは、AI向け半導体事業の成長が期待され、2024年第4四半期の好決算も追い風となる。
JPMorganは、金利の高止まりと堅調なローン需要が収益を下支えし、金融セクターの安定した成長が見込まれる。一方、Qualcommは5G技術の拡大と自動車向け技術の強化により、過小評価されている可能性がある。市場の不透明感が続く中、これらの銘柄は投資家の注目を集めそうだ。
BroadcomのAI戦略と2025年の成長見通し

Broadcom(AVGO)は、AI関連半導体市場における競争力を高めており、2025年の成長が期待される。同社はアプリケーション固有集積回路(ASIC)を強みとし、特にカスタムAIアクセラレーター(XPU)分野での需要増が顕著だ。2024年第4四半期の決算報告でも、ネットワーキング製品とAI向けチップの売上が業績を牽引した。過去1年間で、Broadcomの株価はZacksの「エレクトロニクス – 半導体」業界の平均パフォーマンスを40%以上上回った。これは、AI分野への積極的な投資が市場で評価されていることを示している。
ただし、2025年初頭にはAVGOの株価は18%下落し、ハイテク株全体の低迷と歩調を合わせた。これは、ドナルド・トランプ氏の大統領就任後の市場の不安定さや、米中間の貿易関係が影響していると考えられる。一方で、AI半導体市場は成長基調にあり、Broadcomはデータセンター向けチップの需要拡大を受けて、長期的には回復基調に入る可能性がある。特に、競合他社との差別化を図るためのカスタムASIC開発は、成長の鍵を握るだろう。
JPMorganの安定成長を支える金利環境と事業戦略
JPMorgan Chase(JPM)は、2024年に23.5%の株価上昇を記録し、堅調な成長を維持している。金融セクター全体の成長率である25.4%にはわずかに及ばなかったが、同行の戦略的買収やローン需要の増加が業績を支えた。特に、高金利環境が継続することで、純金利収入(NII)の増加が見込まれている。Zacksのアナリストは、これが2025年のJPMの株価を押し上げる要因になると指摘している。
ただし、金融業界全体としては景気後退のリスクが残るため、JPMorganの今後の成長は慎重に見極める必要がある。同行は支店網の拡大とデジタルバンキングの強化を進め、事業基盤の強化を図っている。特に、個人向け金融サービスの強化や投資銀行業務の多角化が、長期的な成長を支える要素となるだろう。市場の変動が続く中、安定した収益を生み出すJPMorganの経営戦略は、投資家の関心を集め続けると考えられる。
Qualcommの5G市場における立ち位置と成長余地
Qualcomm(QCOM)は、5G市場の拡大を背景に、今後の成長が期待される銘柄のひとつである。現在、アナリストの評価は比較的低いが、同社はモバイル向けライセンスプログラムの強化を進め、成長機会を模索している。特に、Veoneer, Inc.の買収を通じて自動車向けの運転支援技術市場へ進出しており、5Gと組み合わせた新たな事業展開が見込まれる。これは、将来的に自動運転技術の発展とともに、Qualcommの収益基盤を拡大する可能性を秘めている。
2025年初頭の株価は低迷しているものの、5G技術の普及が進むことで、同社の通信インフラ向けチップの需要は増加すると予想される。5Gの本格的な普及とともに、スマートフォン市場の成長が鈍化する中で、Qualcommは新たな収益源を確保する必要がある。今後は、自動車向け技術や産業用IoT(モノのインターネット)分野への投資が、株価回復のカギを握るだろう。
Source:Watcher Guru