Samsungは最新のGen5 SSD「9100 PRO」シリーズを発表した。本モデルは最大8TBの大容量を誇り、読込速度は驚異の14.8GB/秒に達する。これは前世代モデルと比較して約2倍の性能向上であり、次世代ストレージの新たな基準となる可能性が高い。
ラインナップは1TBから8TBまで展開され、書込速度も最大13.4GB/秒と圧倒的なスペックを誇る。内部には最新のV NAND TLC(V8)と5nmプロセスの専用SSDコントローラーが搭載され、消費電力の最適化にも成功。従来モデルと比較し、最大49%の電力効率向上を実現した。
最大8TBの大容量と圧倒的な速度 9100 PROの性能を徹底解剖

Samsungの9100 PRO Gen5 SSDは、最大8TBという驚異的な容量と、14.8GB/秒の読込速度を実現した。この数値は、SamsungのGen4世代である990 PROの倍近い性能向上を示している。書込速度も最大13.4GB/秒に達し、大容量かつ超高速なストレージを求めるユーザーにとって魅力的な選択肢となる。
この性能を支えるのは、Samsung独自のV NAND TLC(V8)と第8世代の垂直NAND技術だ。従来のNAND技術と比較して、より高密度で高速なデータ転送が可能となり、最大2.4GbpsのI/O速度を実現。さらに、ランダム読込・書込速度においても最大2200K IOPS・2600K IOPSという圧倒的な数値を記録している。これは990 PROの1400K / 1550K IOPSを大きく上回る。
また、Samsungはこのモデルに5nmプロセスの新開発SSDコントローラーを採用。トランジスタ密度を高めながら、消費電力の削減にも成功した。990 PROと比較すると、電力効率が49%向上しており、特に長時間の使用や高負荷のワークロード時にその恩恵が大きい。これにより、ゲーミングやクリエイティブ用途での持続的な高速動作が可能となる。
高速SSDは本当に必要か?進化するストレージの役割
近年、SSDの高速化が著しく進んでいるが、その速度は一般的な用途でどこまで必要なのかという疑問もある。例えば、従来のGen4 SSDでさえ、大半のゲームや動画編集用途では十分なパフォーマンスを発揮していた。それにも関わらず、SamsungはGen5 SSDに移行し、14.8GB/秒という次元の異なる速度を提供することとなった。
その理由の一つとして、AIや機械学習、8K動画編集など、より負荷の高い作業に適応するための進化がある。特にAIを活用するクリエイターにとっては、大量のデータを高速処理できるSSDの存在が欠かせない。Samsung Electronics AmericaのJim Kiczek氏も「AIを活用するクリエイターやゲーマーのニーズに応える」と語っており、単なる速度向上ではなく、時代の変化に即したアップグレードであることが分かる。
一方で、一般ユーザーにとってこの性能が必要かどうかは意見が分かれるところだ。Gen4 SSDでさえ、ゲームのロード時間はわずか数秒に抑えられており、Gen5 SSDへの移行が体感できる場面は限られるかもしれない。しかし、大容量・高速なストレージが求められるクリエイティブ作業や、今後さらに進化するアプリケーションでは、この速度が新たな標準になる可能性は高い。
価格と発売時期 8TBモデルのコストはどうなる?
Samsung 9100 PROシリーズの価格は、1TBモデルが199ドル、2TBが299ドル、4TBが549ドルと発表されている。しかし、最大容量の8TBモデルに関しては、価格が未発表のままだ。これは、現時点での市場価格や製造コストを考慮し、慎重に設定される可能性があるためだ。
SSDの価格は、NANDフラッシュの供給状況や需要によって変動する。特に、大容量モデルは生産コストが高くなる傾向があり、8TBモデルの価格は1,000ドルを超える可能性も考えられる。しかし、これまでのSamsungの価格戦略を考えると、競争力のある価格設定が行われる可能性もある。
発売時期については、8TBモデルのみ2025年後半とされており、他の容量はそれ以前に市場に投入される予定だ。特に大容量モデルは、プロフェッショナル向けの用途を想定しているため、一般市場での流通よりも、エンタープライズ向けやクリエイティブ業界での採用が先行する可能性もある。今後の価格発表と、実際の市場動向が注目されるところだ。
Source:TweakTown