GoogleのAndroidに関するデータ収集の実態が明らかになり、SamsungやPixelのユーザーに影響を及ぼしている。トリニティ・カレッジ・ダブリンの研究によると、Googleはユーザーの明示的な同意なしにデータを収集しており、広告分析クッキーなど複数の識別子を利用していることが判明した。
これにより、プライバシー保護を重視するユーザーからの懸念が高まっている。GoogleはAI処理によるデータ管理の安全性を主張しているが、透明性の欠如が指摘されている。また、ユーザー側でこのデータ収集を制限する手段がないことも問題視されている。
一方、AppleはSiriのAI強化を2026年まで延期すると発表。AI機能の遅れがiPhoneの販売に影響を与える可能性があるとされており、モルガン・スタンレーはAppleの株価目標を引き下げた。GoogleとAppleの対照的な動きは、技術革新とプライバシー保護のバランスの難しさを浮き彫りにしている。
Googleのデータ収集の実態 ユーザーの同意なきトラッキング

GoogleのAndroidデバイスが、ユーザーの明示的な同意なしにデータを収集していることが、トリニティ・カレッジ・ダブリンの研究によって明らかになった。この調査では、GoogleがプリインストールアプリやGoogleアカウントにサインインする前の段階から、複数の識別子を使ってユーザーデータを収集していることが判明している。
特に、広告分析クッキーやトラッキングクッキーを含む5種類の識別子がユーザーの許可を求めることなく利用されており、これによりGoogleは個人の行動パターンや使用傾向を把握することが可能となる。これらの識別子を通じたデータ収集は、スマートフォンの基本的な操作を行うだけで自動的に進行し、利用者が意図せずGoogleのデータベースに情報を提供してしまう形となっている。
プライバシーの観点から見ると、ユーザーは自身の情報がどのように活用されているのかを知る術がほとんどない。Googleは「デバイス上でのAI処理がプライバシーを保護する」と主張しているが、これらの非公開トラッキングメカニズムがある限り、どこまで安全なのかを検証することは難しい。実際、多くのプライバシー擁護団体がこの仕組みに懸念を示し、ユーザーの管理権限の欠如が問題視されている。
AI技術とプライバシー保護 企業の姿勢が分かれる
Googleのデータ収集が指摘される一方で、AppleはSiriのAI強化を当初の予定よりも遅らせることを決定した。予定されていた2025年のアップデートは2026年に延期され、AppleはSiriの機能向上にさらなる時間をかける方針を示している。
このSiriの改善では、ユーザーのコンテキストをより深く理解する機能や、複数のアプリを横断して制御できる新機能の追加が計画されている。これにより、Siriはより高度な会話理解能力を持ち、ユーザーが意図する操作をよりスムーズに実行できるようになると見られていた。しかし、Appleはこの遅延の具体的な理由を明かしておらず、技術的な課題や開発の方向性の見直しが関係している可能性がある。
この遅延により、Appleは市場競争力の面で影響を受ける可能性がある。モルガン・スタンレーは、このAI機能の遅れがiPhoneの販売促進につながらないと予測し、Appleの株価目標を275ドルから252ドルに引き下げた。GoogleとAppleの対照的な動きは、AI技術の進化とプライバシー保護のバランスをどう取るかが企業によって異なることを示しており、ユーザーにとっても選択の基準となる重要なポイントとなるだろう。
ユーザーの選択肢と今後の影響 デバイス選びの新たな視点
GoogleとAppleの動向は、スマートフォンを選ぶ際の新たな視点を提示している。従来、デバイスの性能やデザインが重視される傾向にあったが、近年はプライバシー保護の強弱が選択の重要な要素となりつつある。
Googleのデータ収集の問題は、特にSamsungやPixelのユーザーに影響を与える可能性が高い。Androidユーザーの中には、Googleのサービスに依存しない使い方を模索する者も増えているが、プリインストールされたGoogleのアプリケーションが標準でデータを収集していることを考えると、完全にトラッキングを回避するのは容易ではない。
一方、Appleはプライバシー保護を前面に押し出しているが、SiriのAI強化の遅れは競争力の低下を招く可能性もある。iPhoneの魅力の一つである直感的な操作性とAIアシスタントの進化が遅れることで、ユーザーの利便性が損なわれる懸念もある。GoogleとAppleの方向性の違いは、今後のスマートフォン市場にどのような影響を及ぼすのか注目される。
Source:Analytics Insight