Appleが初めて自社開発したC1モデムを搭載したiPhone 16eが登場し、通信性能に関する議論が活発化している。これまでiPhoneのモデムはQualcomm製が主流だったが、C1モデムの採用によりAppleは通信技術の独立を進めつつある。
通信速度を測定するOoklaのデータによると、iPhone 16eは最低速度(10パーセンタイル)で安定性を発揮しつつも、5G SA環境下ではT-MobileのネットワークにおいてiPhone 16に劣る場面も見られた。特にmmWave(ミリ波)非対応が影響を及ぼしている可能性が高い。一方、アップロード速度ではiPhone 16eが優位に立つケースもあり、一概に性能が劣るとは言えない。
AppleのC1モデムは、通信技術の独立に向けた重要な第一歩となるが、現時点ではQualcommモデムに対して完全な優位性を確立したとは言い難い。今後のアップデートや次世代モデルにおいて、C1モデムがどのように進化するのかが注目される。
Apple C1モデムとQualcommモデムの性能比較 iPhone 16eの通信速度の実力とは

Appleが自社開発したC1モデムを初搭載したiPhone 16eと、従来通りQualcommモデムを採用するiPhone 16の通信性能を比較すると、キャリアによって異なる結果が示された。OoklaのSpeedtest Intelligence®データによると、iPhone 16eのダウンロード速度はAT&TおよびVerizonのネットワーク上ではiPhone 16を上回ったが、T-MobileではiPhone 16の方が24%速い結果となった。
特にT-Mobileは米国内で唯一、5G SA(スタンドアローン)ネットワークを広範に展開しているため、キャリアアグリゲーション(CA)技術の活用が通信速度に影響を与えた可能性がある。C1モデムはT-Mobileの環境に最適化されていない可能性が指摘されており、特にmmWave(ミリ波)に非対応である点が大きな違いとなった。
最低速度(10パーセンタイル)の比較では、iPhone 16eがiPhone 16を上回るケースがあり、通信が不安定な環境下ではC1モデムの安定性が評価される結果となった。5G通信においては、最高速度のみならず、日常的な通信品質の安定性も重要な指標であり、AppleのC1モデムはその点で一定の強みを持つ可能性がある。
mmWave非対応の影響とAppleの通信技術の転換点
iPhone 16eがmmWave(ミリ波)に対応していない点は、今回の通信性能比較において特に注目されるポイントである。mmWaveは超高速通信を実現する技術であり、特に都市部や高密度な通信環境において効果を発揮する。一方で、mmWaveの対応エリアは依然として限られており、実際に恩恵を受けられるユーザーは一部にとどまるのが現状である。
これまでAppleは米国市場向けにmmWave対応モデルを販売してきたが、iPhone 16eでは初めて米国内でmmWave非対応のモデルを投入した。この決定は、Appleが通信技術におけるコストと性能のバランスをどのように考えているのかを示唆するものであり、C1モデムの設計思想にも関係していると考えられる。
また、AppleがQualcomm製モデムから自社開発モデムへと移行する動きは、将来的な通信技術の独立を目指す戦略の一環と見られる。今回のC1モデムはその第一歩となるが、現時点ではmmWave非対応などの制約があるため、次世代モデルでどのような進化を遂げるのかが注目される。Appleの通信技術開発の方向性を占う上で、iPhone 16eは重要なモデルとなることは間違いない。
Apple C1モデムの今後の展望と市場への影響
AppleがC1モデムを採用したことで、今後の通信技術の展開にどのような影響があるのかが注目される。従来のQualcommモデムは通信性能の高さと安定性で知られており、長年iPhoneのネットワーク接続を支えてきた。
しかし、Appleは独自開発のSoC(システム・オン・チップ)に加え、モデム技術の内製化にも踏み出したことで、将来的にはより高度な最適化が可能になると考えられる。現在のC1モデムは、mmWave非対応やT-Mobileの5G SA環境でのパフォーマンスの課題が指摘されているが、Appleが今後のアップデートでどのように対応するかが鍵となる。
特に、次世代モデルでmmWave対応を復活させるのか、あるいはSub-6GHz帯の最適化に注力するのかは、通信業界全体の技術動向にも影響を与える可能性がある。また、AppleがQualcommへの依存度を減らすことで、通信関連のコスト削減やサプライチェーンの最適化が進むと考えられる。
これにより、将来的にiPhoneの価格戦略にも変化が生じる可能性があり、ハイエンドモデルとエントリーモデルの差別化がより明確になることが予想される。C1モデムの進化が、スマートフォン市場全体にどのような影響を及ぼすのか、引き続き注視する必要がある。
Source:MacDailyNews