データ分析大手パランティア(NASDAQ: PLTR)の株価が急落している。2月下旬には100ドルを下回り、3月19日時点で85.94ドルとなり、史上最高値(124.62ドル)から31.04%下落した。年初来で約13.74%上昇しているものの、急増する空売りが市場の不安を映し出している。
直近の上昇要因には、米陸軍への「TITAN」納入やAIPConでの大手企業との契約発表がある。しかし、空売り比率は65%以上を維持し、上昇基調の継続は不透明だ。さらに、社長スティーブン・コーエン氏が約3億1000万ドル分を売却し、CEOアレックス・カープ氏も今後約997万株の売却を予定。ウォール街では目標株価の引き下げが相次ぎ、ジェフリーズは60ドルと予測するなど、慎重姿勢が強まっている。
パランティア株の急落と市場の動向

パランティア(NASDAQ: PLTR)の株価は、2月下旬に100ドルを下回り、3月19日時点で85.94ドルまで下落した。史上最高値の124.62ドルから31.04%の下落となり、投資家の不安が拡大している。一方で、年初来の株価は依然として13.74%の上昇を維持しているものの、この上昇も長続きしない可能性が指摘されている。
市場全体の低迷に加え、パランティアの評価額が依然として高水準であることが、投資家の慎重な姿勢を生んでいる。同社は人工知能(AI)を活用したデータ分析で高い成長を遂げてきたが、すでに大幅な成長が株価に織り込まれているため、新規の投資家が参入する余地が限られているとの見方もある。さらに、米国の金利政策や景気の不透明感も、ハイテク株全般のリスク要因となっており、パランティア株の不安定な動きを助長している。
空売り比率の上昇と市場心理
パランティアの株価が急落する一方で、空売り比率は急上昇している。市場分析プラットフォーム「Fintel」のデータによると、3月12日以降、パランティアの空売り比率はほぼ一貫して65%以上を記録している。これは、投資家が同社の成長性に懐疑的な姿勢を示していることを意味する。特に、3月12日と13日に株価が急上昇したにもかかわらず、その後の売り圧力が強まり、ラリーの継続性が疑問視されている。
このような状況は、市場全体のセンチメントにも影響を与えている。ソフトウェア業界全般が高い評価を受ける中で、パランティアのようにすでに大幅な成長を遂げた企業に対する期待が後退していることが、空売りの増加につながっていると考えられる。さらに、金利上昇局面では高成長銘柄が売られやすい傾向にあり、投資家の利益確定売りが空売り勢の動きと相まって、さらなる株価の下押し圧力を生んでいる。
内部関係者の売却とアナリストの慎重な評価
パランティア株の下落に拍車をかけている要因の一つが、内部関係者による大規模な株式売却である。3月12日には、共同創設者であり社長を務めるスティーブン・コーエン氏が約3億1000万ドル相当の株式を売却した。さらに、最高経営責任者(CEO)のアレックス・カープ氏も、2025年9月12日までに最大9,975,000株を売却する予定である。このような動きは、市場に対して経営陣が現在の株価水準を割高と見ているとの印象を与え、投資家心理を冷やしている。
また、ウォール街のアナリストも慎重な姿勢を取っている。投資銀行ジェフリーズのアナリスト、ブレント・シル氏は、パランティアの目標株価を60ドルと設定しており、現在の水準からさらに30.18%の下落を示唆している。パランティアは政府向けのデータ分析ソリューションを提供し、近年は企業向け市場にも進出しているが、依然として収益の安定性に課題があるとされている。このような見解が投資家の慎重な姿勢につながり、株価の上値を抑える要因となっている。
Source:Finbold