Appleが18.8インチの折りたたみMacの開発を進めていることが明らかになった。本デバイスはiPadOSではなくmacOSを搭載し、iPadではなくMacとしての位置付けとなる。量産開始は2026年後半と見込まれ、早ければ2026年末から2027年前半に市場投入される可能性がある。
特筆すべきは、バッテリー寿命を飛躍的に向上させる省電力技術の採用だ。AppleはディスプレイドライバーICを従来の28nmから16nmへ縮小することで、同等の性能を維持しつつ消費電力の低減に成功。Weiboのリーカー「Phone Chip Expert」もこの動きを指摘しており、Appleの折りたたみデバイスは、省電力性能を最優先する設計になるとされる。
また、Appleはデバイスの薄型化にも注力しており、iPhone 17 Airが超薄型デザインを採用する最初のモデルとなる予定。折りたたみMacも同様にスリム化が進む見込みで、バッテリー容量の変化が寿命に影響を与える可能性も指摘されている。
Foxconnではすでに「新製品導入(NPI)」フェーズに入っており、開発は着実に進行中だ。Appleの折りたたみデバイスが市場にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目が集まる。
Appleの折りたたみMacが実現する新たなユーザー体験

Appleが開発を進める18.8インチの折りたたみMacは、従来のMacBookとは異なる全く新しいユーザー体験を提供する可能性が高い。最大の特徴は、持ち運びが可能な大画面デバイスとしての利便性だ。折りたたみ機構により、コンパクトな状態から広い作業スペースへと瞬時に切り替えられる点が強みとなる。
タッチ操作にも対応すれば、従来のキーボードやトラックパッドを超えた直感的な操作が可能となるだろう。また、AppleがmacOSを搭載することにより、このデバイスは単なる大型タブレットではなく、プロフェッショナル向けの生産性ツールとしての地位を確立する可能性がある。
デスクトップ級のパワーとソフトウェア環境を携帯可能な形で提供すれば、外出先でも快適なクリエイティブ作業が実現する。こうした革新は、iPadシリーズとMacBookシリーズの垣根を曖昧にし、新たな市場の開拓につながるかもしれない。
Appleは、従来のノート型デバイスの概念を覆す戦略を取ることで、競合他社との差別化を図ることができる。折りたたみMacが普及すれば、作業スタイルやビジネスシーンにおいても新たな変化が訪れることは間違いない。
省電力化の鍵を握るディスプレイドライバーICの進化
Appleが開発中の折りたたみMacでは、ディスプレイドライバーICの微細化が重要な技術革新となる。従来の28nmから16nmへとプロセスルールを縮小することで、消費電力の大幅な削減が可能となる。これにより、長時間のバッテリー駆動が求められる折りたたみデバイスにおいて、電力効率の向上が実現する。
ディスプレイドライバーICの進化は、折りたたみデバイス特有の課題にも対応する。特に、大型の有機ELディスプレイを搭載する場合、電力消費が大きな問題となるが、より高効率なICを採用することで、この課題を克服できる可能性がある。さらに、折りたたみ構造のデバイスでは、ディスプレイの耐久性と電力管理の両立が求められるため、省電力設計は不可欠な要素となる。
Appleの技術進化は、スマートフォン市場にも波及する可能性がある。例えば、iPhone 17 Airが超薄型デザインを採用する予定であることを考慮すると、今後のiPhoneシリーズにも同様の省電力技術が導入されることが予想される。ディスプレイドライバーICの進化は、折りたたみMacだけでなく、Apple全体の製品ラインアップにも影響を与える重要な要素となるだろう。
Foxconnでの新製品導入フェーズが示す開発の最終段階
Appleの折りたたみMacは、現在Foxconnで「新製品導入(NPI: New Product Introduction)」フェーズに入っている。このプロセスは、量産開始前の最終的な検証段階を意味し、製品の設計や製造工程の最適化が進められていることを示唆する。通常、このフェーズを通過した製品は、数年以内に市場投入される可能性が高い。
Foxconnでの動きから、Appleが折りたたみMacの実用化に向けて本格的な準備を進めていることが読み取れる。折りたたみデバイスは製造上の課題が多く、特にヒンジ部分の耐久性やディスプレイの折り目の劣化が懸念されるが、AppleがFoxconnとの協力でこれらの問題を克服しつつあることは間違いない。
今後、Appleがどのような戦略で市場に投入するのかが焦点となる。価格帯やターゲット層によって市場の反応は異なるが、折りたたみMacが一定の成功を収めれば、Appleのハードウェア戦略に大きな影響を与える可能性がある。FoxconnのNPIフェーズが順調に進行すれば、Appleの折りたたみデバイスは数年以内に現実のものとなるだろう。
Source:Wccftech