ミームコインの黄金時代が終焉を迎えつつある。ARK Investのキャシー・ウッドは、ほとんどのミームコインが無価値になると厳しく指摘し、CoinGeckoの共同創設者ボビー・オングも99.99%が消滅すると予測した。

1月に記録したPump.funの週間取引量33億ドルから急減し、2月までに63%減少。市場価値も1,240億ドルから540億ドルへと半減した。LIBRA事件では投資家が1億700万ドルを失い、市場の信頼はさらに揺らいでいる。

一方で、ドナルド・トランプのミームコイン$TRUMPは例外的な注目を集めている。DogecoinやShiba Inuのように生き残れるのか、それともこのまま市場から消える運命にあるのか。ミームコイン市場は岐路に立たされている。

キャシー・ウッドとボビー・オングが指摘するミームコインの行き詰まり

ARK Investのキャシー・ウッドは、ほとんどのミームコインが無価値になると断言し、CoinGeckoの共同創設者ボビー・オングも99.99%が消滅するとの見解を示した。両者は、ミームコインが本質的に投機対象であり、実用性の欠如が長期的な価値を損なうと警鐘を鳴らしている。特にLIBRA事件のようなスキャンダルが市場の脆弱性を露呈し、投資家の信頼を大きく揺るがしたことが、ミームコインの急速な衰退の要因の一つとされる。

事実として、Pump.funの取引量は1月のピーク時に33億ドルに達したが、2月までに63%減少し、ミームコイン市場全体の価値も1,240億ドルから540億ドルへと半減した。この急落は、一過性のブームに終わる可能性を示唆している。過去にも、仮想通貨市場では一時的な熱狂の後に大規模な価値喪失が発生しており、今回の状況もその延長線上にあると考えられる。

一方で、DogecoinやShiba Inuのように強固なコミュニティを持つミームコインは、市場の変動に耐え抜いてきた例もある。キャシー・ウッドの指摘がすべてのミームコインに適用されるかどうかは未知数だが、長期的な価値を持つには、単なる話題性以上の要素が求められることは間違いない。

ドナルド・トランプの$TRUMPは例外となるのか

キャシー・ウッドは、数あるミームコインの中でドナルド・トランプ関連の$TRUMPのみが例外的な存在である可能性を示唆した。彼女の見解によれば、$TRUMPは単なる投機対象ではなく「デジタルコレクターズアイテム」としての価値を持つ可能性があるという。ミームコイン市場全体が下落傾向にある中で、$TRUMPが注目を浴びる背景には、政治と仮想通貨の交差点に立つユニークな立ち位置がある。

$TRUMPの価値を支えているのは、その政治的背景とコミュニティの結束力である。トランプ支持者の中には、彼の影響力が仮想通貨市場にも及ぶと考え、投機ではなく信念を持ってこのコインを保有する層が一定数存在する。このような政治的要素が絡むミームコインは、DogecoinやShiba Inuとは異なる軌道をたどる可能性を持つ。

とはいえ、$TRUMPが長期的に市場に残るかどうかは不透明だ。市場のセンチメントや政治の流れによって価値が大きく変動する可能性が高く、短期的な価格の変動は避けられない。歴史的に見ても、政治関連の仮想通貨は長続きしにくい傾向があるため、$TRUMPが今後どのような展開を見せるのかは慎重に見極める必要がある。

ミームコイン市場の未来はどこへ向かうのか

ミームコイン市場は、これまで急騰と暴落を繰り返してきたが、今回の下落は単なる一時的な調整ではなく、より根本的な問題を孕んでいる可能性がある。特に、LIBRA事件のような投資家の大規模な損失が発生したことは、市場の信頼性を揺るがす決定的な要因となった。加えて、SECがミームコインを金融商品として規制しないと発表したことで、投資家は無秩序な市場に放置される形となった。

市場の流動性は急激に低下しており、Pump.funでは取引の99%が1カ月以内に消滅する状況にある。これにより、短期的なトレードを目的とした投資家が撤退し、ミームコイン市場全体の活力が失われつつある。こうした動きが続けば、キャシー・ウッドやボビー・オングの指摘通り、大半のミームコインが無価値となる未来も現実味を帯びてくる。

とはいえ、仮想通貨市場はこれまで何度も驚くべき復活を遂げてきた。投資家の関心が再び高まり、新たなブームが生まれる可能性も否定はできない。ただし、その場合でも、投機的な銘柄と実用的な銘柄の選別が進み、生き残るミームコインはごくわずかになると考えられる。今後は、短期的な熱狂ではなく、長期的な価値を見極める視点が求められることは間違いない。

Source:Cointribune