Appleが新たに開発中とされるスマートホームデバイス「HomePad」を自らリークした可能性が浮上した。これは、iOS 18.4のベータ版解析により、HomePodにディスプレイを搭載した新型デバイスの存在を示唆する複数の証拠が見つかったことに端を発している。
特に注目すべきは、料理支援機能「CookingKit」の追加や、iMessageを処理可能な「ChatKit」の導入など、据え置き型のタッチディスプレイデバイスを前提としたアップデートだ。これらの変更は、AmazonのEcho Showシリーズと競合する製品の登場を示唆しているとも考えられる。
Appleが正式に発表する可能性があるのは、WWDCやiPhone 17の発表イベントと見られるが、HomePadの実態は依然として謎に包まれている。今後の動向に注目が集まる。
Apple自身が示唆した「HomePad」の証拠とは

iOS 18.4のベータ版には、HomePodにディスプレイを搭載した新型デバイスの存在を裏付ける変更が複数確認されている。その中でも注目すべきは、料理支援機能「CookingKit」、スマートホーム連携を強化する「Home」カテゴリーの追加、さらにiMessage機能をサポートする「ChatKit」の導入である。
「CookingKit」は、食材ごとのレシピ検索を可能にし、視認性を高めたインターフェースを提供する点で、壁掛け型や据え置き型デバイス向けの設計が想定される。また、iMessageを処理する「ChatKit」がtvOSで発見された点も見逃せない。Apple TVやHomePodでは現在iMessage機能が提供されていないことから、新デバイスへの搭載が予測される。
これらの機能が単なるソフトウェアのアップデートなのか、それとも新ハードウェアの登場を示唆しているのかは不明だ。しかし、Appleがスマートホーム市場を再び強化しようとしていることは確かであり、「HomePad」の発表に向けた布石である可能性がある。
HomePadはEcho Showの対抗馬となるのか
Appleが新たに開発しているとされる「HomePad」は、AmazonのEcho Showシリーズと競合する可能性がある。Echo Showはディスプレイ付きのスマートスピーカーとして確固たる地位を築いており、音声アシスタントによる操作やスマートホーム管理、レシピの表示機能などを備えている。
Appleがこれに追随する形でディスプレイ付きのHomePodを投入すれば、スマートホーム市場の勢力図が変わる可能性がある。ただし、Appleの強みはAmazonとは異なる。HomeKitとの緊密な統合により、より洗練されたデザインと操作性が期待されるほか、Apple独自のプライバシー保護機能も強調されるだろう。
Echo ShowがAlexaを活用したオープンな環境を提供しているのに対し、Appleはよりセキュアなエコシステムを重視する傾向があるため、ターゲット層も異なってくる。また、HomePadが登場すれば、Siriの進化が不可欠となる。
現在のSiriはAlexaやGoogleアシスタントと比較すると機能面で劣る点が指摘されており、HomePadと同時に大幅なアップデートが実施される可能性がある。Appleがどのように差別化を図るのかが、市場での成功を左右する重要なポイントとなる。
HomePadの発表時期とAppleの戦略
Appleが「HomePad」を正式に発表するタイミングは、2024年6月のWWDCか、同年9月のiPhone 17発表イベントが有力視される。WWDCでは新OSの発表が主軸となるため、ハードウェアの詳細が明らかになる可能性は低い。一方で、iPhone 17の発表イベントでは、Appleが新たなデバイスを披露する傾向があるため、HomePadも同時に発表される可能性がある。
Appleがこのデバイスをどのように位置づけるかも注目される。HomePodの初代モデルは音質の良さをアピールしたが、市場ではスマート機能の充実したAmazon EchoやGoogle Homeに遅れを取った。今回のHomePadは、ディスプレイを搭載することで、スマートホームの中核デバイスとしての役割を強化する可能性がある。
さらに、HomePadが成功するかどうかは価格戦略にも左右される。Appleはプレミアム路線を貫く傾向が強いため、競合のEcho ShowやGoogle Nest Hubよりも高価格帯になる可能性が高い。高品質なデザインと機能性を兼ね備えたデバイスとして、Appleユーザーにどれだけ受け入れられるかが鍵となる。
Source:Digital Trends