AMDは3月20日、Windows 11/10向けの新ドライバ「Adrenalin Edition 25.3.2(バージョン24.30.31.04)」をリリースした。これにより、Windows Updateが新しいドライバを旧版で上書きしてしまう深刻な不具合が、Radeon RX 9000シリーズにおいて修正された。

加えて、Ubisoftの新作「Assassin’s Creed Shadows」や「The Last of Us Part II Remastered」への対応が含まれており、複数タイトルでの描画・動作に関する問題修正も実施されている。開発者向けにはFSR 3.1の110タイトル対応やRDTSの最新GPUサポートも加わった。

ただし、SteamVRにおけるメモリリークや、ドライバ導入後のブラウザパフォーマンス低下など、一部問題は依然として残っており、引き続き慎重な運用が求められる。

Windows Updateの強制上書き問題がRadeon RX 9000シリーズで解消

AMDが公開したAdrenalin Edition 25.3.2では、Windows Updateによって新しいドライバが旧版に置き換えられてしまう重大な不具合が、Radeon RX 9000シリーズで修正された。これは、長らくユーザーを悩ませてきた問題の一つであり、特に自動更新を無効にしていない環境では深刻な影響を与えていた。

MicrosoftのWHQL認証は未取得のベータ版ではあるが、AMDはこのドライバによって9000シリーズにおける更新保持の安定性を大幅に向上させている。旧ドライバへの強制的な巻き戻しが発生しなくなることで、ドライバ起因のパフォーマンス低下や互換性問題のリスクが一定程度抑制される。

現時点で対象はRX 9000シリーズに限られているが、今後同様の対応が他世代のGPUにも広がるかは注視が必要である。全製品で同様の安定性が確保されるには、引き続きドライバ開発体制とWindows Updateとの整合性調整が鍵となる。


ゲーム体験の質向上と開発者支援機能の強化が並行展開

最新の25.3.2ドライバでは、「Assassin’s Creed Shadows」「The Last of Us Part II Remastered」といった話題作への最適化が進められているほか、既存の複数タイトルにおける描画エラーやクラッシュの修正も含まれている。たとえば、Counter-Strike 2でのMSAA x8使用時のガンマ異常や、Indiana Jones and the Great Circleの高設定クラッシュ問題などが対処された。

同時に、開発者向けにはFSR 3.1の対応タイトルが110を超え、RDTS(Radeon Developer Tool Suite)もRX 9000シリーズに正式対応するなど、ツール面での支援も拡充されている。また、FSR 4への布石となるFidelityFX SDKの更新も進行しており、次世代ゲームグラフィックスへの布陣が整いつつある。

これらの動きは、ゲーマーだけでなくゲーム開発を担う技術者層に対しても、AMDがプラットフォーム全体でのエコシステム強化に注力している姿勢を示す。製品単体での性能向上にとどまらず、開発・実装環境の整備に踏み込む姿勢が、競合との差異化要素として機能しつつある。


未解決の既知不具合が示す安定性への課題

一方で、25.3.2には依然として多数の既知の問題が残されている。たとえば、SteamVR環境でのメモリリークによるクラッシュや、特定VRヘッドセットでのスタッター、ノートPCにおける統合カメラの機能停止などが報告されている。また、Microsoft EdgeとYouTubeとの組み合わせで、ドライバインストール直後にパフォーマンスが低下する現象も指摘されている。

さらに、ドライバの進行状況が0%のまま表示されたり、AMD Chatインストール時のUI異常が発生するなど、ユーザー体験を損なう細かな不具合も散見される。いずれも深刻度には差があるが、一定の技術的知識が求められる回避策が前提となっている点は看過できない。

これらの現象は、新機能の導入と同時に安定性検証に関するリソースが分散している可能性を示唆しており、特に法人用途や開発現場での採用においては、慎重な評価が求められる状況にある。バグ修正の速度と品質管理の両立が、今後の信頼回復には不可欠である。

Source: Neowin