マイクロソフトは2024年9月から続いていた互換性保留措置を解除し、Windows 11 バージョン24H2の提供範囲を拡大した。原因は人気レースゲーム『Asphalt 8: Airborne』に関連する例外エラーで、影響を受けたPCにはアップデートが制限されていた。加えて、AutoCAD 2022を含む他のソフトにも問題が生じていた。

約半年を経て保留ID「52796746」のセーフガードが解除され、該当ユーザーにもWindows Update経由で最新版が届くようになった。アップデートの即時反映にはPCの再起動が推奨されている。

業務環境や音声出力、ゲーム動作などに支障をきたしていた今回の不具合は、エンタメと生産性の両面に影響を及ぼしていたことから、修正の完了は広範なユーザー層にとって大きな前進となる。

半年にわたるアップデート停止の背景と解除の経緯

2024年9月、マイクロソフトはGameloft製レースゲーム『Asphalt 8: Airborne』との互換性問題により、Windows 11 バージョン24H2の配信を一部ユーザー向けに停止した。同ゲームをインストールした環境において、予期せぬ例外エラーが発生し、ゲームが応答不能に陥る事象が確認された。加えて、2024年12月には音声周辺の機能障害、2025年2月にはAutoCAD 2022の動作不良も発覚していた。

このような複数の不具合が重なった結果、マイクロソフトはアップデート提供を抑制し、メディア作成ツールやインストールアシスタントを通じた手動導入すら推奨しない姿勢を取った。そして2025年3月、問題の根本的修正に至り、保留ID「52796746」に基づく制限措置は正式に解除された。これにより、対象ユーザーはWindows Update経由で最新の24H2バージョンを受け取ることが可能となった。

更新の即時適用には再起動が推奨されており、配信の完全な反映には最大48時間を要する可能性がある。今回の措置は、ゲームアプリがOSアップデート全体の流通にまで影響を及ぼし得ることを改めて示す結果となった。

単一ゲームがOS提供を左右した事実が映す開発体制の課題

『Asphalt 8: Airborne』は、カジュアル層を中心に世界中で広くプレイされているが、同アプリ単体の不具合がOS全体の展開停止に直結した事実は、現代のソフトウェア開発における複雑性と連動性の高さを物語る。マイクロソフトが全ユーザーへの配信を制限したことからも、ゲームアプリのバグであってもOS全体の安定性に深刻な影響を与え得る現実が浮き彫りとなった。

この対応の裏側には、互換性と安定性を何より優先する同社のアップデート戦略がある。たとえ原因がサードパーティ製アプリであっても、それを排除せず、修正を待って配信を再開するという姿勢は、エコシステム全体を統合的に捉えた運用モデルの表れと言える。ただし、利用者にとっては半年もの遅延が生じるリスクを伴い、特に業務上の更新を求める立場にとっては看過できない側面も残る。

今回の解除は、技術的な修正が完了したことを示すに過ぎず、今後も同様の構造的リスクが再発し得る現実には注意が必要である。全体の品質管理体制とサードパーティ製アプリとの連携構造の再点検が、今後の重要課題として浮上している。

Source: XDA