Samsungは2025年初頭から、Galaxy S25シリーズとAI機能の認知拡大を狙い、6カ国で大規模な広告キャンペーンを展開した。

オーストラリアでは船上での機能体験、ペルーでは地下鉄車両を活用したブランディング、チリでは駅名変更とドローンショー、アメリカではアカデミー賞に合わせた映像広告を実施。さらに、英国では著名人とのコラボ、ブラジルでは高層展望台でのカメラ体験と、各国の文化や場面に合わせて手法を変えながらアピールを続けた。

一連の取り組みは、従来の広告手法にとらわれない大胆な試みに満ちており、Galaxy S25の存在感を一気に押し上げる狙いがうかがえる。

街と融合するGalaxy S25 シドニー湾からサンティアゴの夜空まで

SamsungはGalaxy S25の訴求にあたり、各国の公共空間を大胆に活用したプロモーションを実施した。オーストラリアではシドニー湾とブリスベン川を行き交う船にブランドを施し、乗船者がその場で「Now Brief」や「Audio Eraser」などGalaxy AI機能を体験できる仕組みを用意。日常の移動に体験を組み込むことで、自然に製品の利便性を印象づけている。

南米でもSamsungは存在感を示した。ペルーではリマの地下鉄1号線にテック企業として初のブランドラッピングを実施し、1日50万人以上の通勤客の目に触れる形でGalaxy S25をアピール。さらにチリのサンティアゴでは駅名そのものを「Galaxy AI」に改称するというユニークな手法をとり、夜には300機のドローンを用いた空中ショーで視覚的な記憶にも訴えかけた。

こうした広告は一見派手だが、どれも現地の生活動線に巧妙に溶け込み、無理なく製品体験を促す設計がなされている。観る者を単なる受け手にせず、体験者として巻き込む構成が、従来の広告とは一線を画している。

芸術と連動するGalaxy AI機能 映画と写真の領域に踏み込む試み

アメリカ市場では、Samsungがアカデミー賞授賞式にあわせてGalaxy S25 UltraとAI機能「Audio Eraser」を主役に据えた広告を公開した。プロのスタントパフォーマーを起用した2本の映像は、映像制作の中での音声処理を例に挙げ、AIが雑音を自動で除去する機能の有用性を直感的に伝えている。

Galaxy S25シリーズに搭載されたAI機能は、コンテンツ制作や日常の録音シーンでの編集のハードルを大きく下げる可能性を秘めている。とりわけ映像と音の両面に関わるプロフェッショナルや表現者にとって、こうした機能がスマートフォンに搭載されている点は注目に値する。

また、ブラジルで設置された高さ150メートルの展望台は、Galaxy S25 Ultraのカメラ性能を実地で試すための舞台として機能していた。都市の景観をそのまま被写体とすることで、ズームや明暗処理の実力をリアルに体感できる仕掛けになっており、製品と都市体験が一体となった設計が光る。

ターゲット別に最適化された訴求 英国のアプローチに見る新たな方向性

英国で展開されたGalaxy S25のプロモーションは、他国のような公共空間の大胆な活用とは異なり、若年層に寄り添ったパーソナルな切り口が特徴的であった。SamsungはモデルであるAnaïs Gallagher氏とMolly Moorish-Gallagher氏を起用し、Galaxy S25 Ultraの「Auto Trim」などのAI機能を日常に組み込む様子を紹介。製品の魅力をライフスタイルの中に自然に溶け込ませる演出となっていた。

このようなアプローチは、機能紹介にとどまらず、製品をどう使うかという文脈を提示することで、自分自身が使っている姿を具体的にイメージさせやすい利点がある。とくに自撮りや短尺動画の撮影が日常化している層にとって、「Auto Trim」のような編集補助機能は実用性が高く、日々のコンテンツ制作の負担を軽減する可能性がある。

イギリスの事例は、製品の使い方を示すことで“体験の導線”を作るという意味で、今後の広告手法の一つの方向性を示唆している。大量の情報を一方的に届けるのではなく、共感と想像を生む設計が求められる時代に適した手法といえるだろう。

Source:SamMobile