AMDが最新のGPUアーキテクチャ「RDNA 4」を次世代RyzenゲーミングCPUの統合グラフィックスには採用しない可能性が高まっている。テックリーカーKepler_L2氏がVulkan APIのGitHubコードから「RDNA 4はdGPU専用」と記された記述を発見し、APU非対応の示唆として注目を集めた。

この動きは、過去のRyzen APUが一世代前のGPUアーキテクチャを使用していた事例とも一致する。RDNA 4が搭載されるRadeon RX 9070 XTは高いレイトレーシング性能とFSR 4による画像処理で評価されているが、統合GPUへの展開は見送られる可能性がある。

一方で、AMDは将来的にゲーミングと企業向けを融合する「UDNA」アーキテクチャへの移行を計画しており、その布石としてRDNA 4の限定採用が行われているとの見方も出ている。

RDNA 4のディスクリートGPU専用設計が意味するもの

AMDの最新GPUアーキテクチャ「RDNA 4」が、Radeon RX 9070 XTを通じて高い評価を受けている中、同アーキテクチャがディスクリートGPU専用である可能性が明らかになった。

X(旧Twitter)上で活動する技術系情報提供者Kepler_L2氏は、GitHub上に公開されたVulkanグラフィックスAPI関連のコードを精査し、「Gfxlp12」に続いて「// dGPU only」というコメントが存在することを発見。この記述がRDNA 4のAPU非対応を示唆するものとして受け止められている。

この発見により、RDNA 4は既存のRDNA 2(GfxIp10_3)やRDNA 3(GfxIp11_0)のように統合型APUへ流用されることなく、ディスクリートGPUとしての展開に限定される可能性が高まった。

従来からAMDは、APUにおけるGPUアーキテクチャの更新を遅らせる傾向があり、Ryzen 7 5700GがVegaベースで登場した際も、当時最新のRDNA 2を搭載せずにリリースされた経緯がある。RDNA 4に関しても同様の方針が維持されるとすれば、統合グラフィックスへの反映は当面見送られる見通しだ。

その一方で、AMDの統合型プラットフォームであるStrix Haloが今後登場する可能性もある。これがRDNA 4に基づく設計となるのか、もしくは新たなアーキテクチャ「UDNA」への橋渡しとなるのかは不透明であるが、現段階ではRDNA 4がAPUとして市場に投入される兆しは見られていない。

Ryzen CPUにRDNA 4を搭載しない戦略的背景

AMDがRDNA 4をRyzenシリーズの統合GPUに搭載しない方針を示唆している背景には、長期的なアーキテクチャ戦略の存在があるとみられる。現行のAPUは、その多くが1世代以上前のGPUアーキテクチャを使用しており、最新のGPU技術を最初にディスクリート製品に投入する方針は一貫してきた。

これにより、新技術の成熟度を高め、最終的に統合型製品への安全な導入を図るという設計思想が根底にある可能性は否定できない。

加えて、AMDが将来的に導入を計画しているとされる「UDNA」アーキテクチャは、ゲーム用途と法人向けの両方を網羅する統合型の設計とされている。

RDNA 4をAPUに搭載せず、代わりに次の飛躍をUDNAに託すというロードマップの存在が裏にあるとすれば、今回の非搭載も技術的停滞ではなく、体系的な製品設計の一環と読み取れる。

また、現在のRDNA 4搭載GPUがディスクリート市場で非常に高く評価されていることから、同アーキテクチャのブランド力を分散させず、ハイエンド製品に集約させる狙いもあるだろう。

ただし、Strix Haloプラットフォームなど、統合型製品にRDNA 4を実装する可能性が完全に排除されているわけではない。現段階では「// dGPU only」という技術的コメントに基づく見解であり、今後の開発方針や市場環境次第では、方針転換もあり得る。AMDの長期的戦略と短期的製品展開のバランスが、今後の注目点となる。

Source:PCGamesN