Asusが開発中とされる「ROG Crosshair X870E Extreme」マザーボードの推定価格が、欧州の小売業者リストに基づき最大1,313ユーロ(約1,422ドル)に達するとの情報が浮上した。これは、AMDの最上位CPU「Ryzen 9950X3D」の2倍近く、携帯型ゲーミングPC「Steam Deck」を3台購入してもお釣りがくる金額である。
この価格帯は、先行して登場したMSIの「X870E Godlike」(約1,100ドル)をも上回り、ハイエンドゲーミングパーツ市場における価格上限を更新する可能性がある。マザーボードの存在は診断ツール「HWiNFO」にも記録されているが、Asusからの公式発表は現時点でない。
豪華なLCDディスプレイ、拡張M.2スロット、先進のRGB機能や高品質オーディオ回路の搭載が期待されているものの、コストパフォーマンスの観点からは疑問も残る。製品の本質的価値よりも、外観と所有欲を刺激する構成が価格を押し上げていると見る向きもある。
価格は最大1,313ユーロ Asusの未発表マザーボードが示す市場動向

欧州の小売業者によるリーク情報に基づけば、Asusの新型マザーボード「ROG Crosshair X870E Extreme」の価格は税抜きで1,113ユーロから始まり、最大1,313ユーロ(約1,422ドル)に達する見込みである。
この価格帯は、現行のAMD最上位CPU「Ryzen 9950X3D」のおよそ2倍に相当し、モバイルゲーミング機器の象徴である「Steam Deck」3台分を超える水準である。価格が判明したのはVideocardzが共有した小売業者のスクリーンショットであり、Asusからの正式なアナウンスは今のところ確認されていない。
このExtremeモデルの存在は、PCハードウェア診断ツール「HWiNFO」の最新ベータ版にもリストアップされており、開発がある程度進んでいることを示唆する。ただし仕様の詳細は不明で、あくまでも複数の外部情報源を通じた間接的な確認にとどまる。
これ以前にも、AsusはROG Crosshair X870E Apexを749.99ドルでNeweggにて予約販売しており、価格差の大きさはExtremeという名称に付随する「最上級仕様」への期待と連動していると考えられる。
いわば今回のリークは、ハイエンドマザーボード市場の価格レンジが再び更新される局面にあることを浮き彫りにしている。2025年4月4日に発売予定のApexと比較しても、価格差は約90%以上におよび、従来の高価格帯製品では考えられなかった水準である。これは、マザーボードが単なる基盤ではなく、ブランドと所有価値の象徴へと変貌していることの表れとも言えるだろう。
所有欲と機能美が支配する「見た目重視」時代の到来
AsusのROG Crosshair X870E Extremeが仮に1,300ユーロ超で市場投入される場合、その価格の大部分は基礎性能ではなく、外観と機能的演出への投資に支えられている可能性が高い。
MSIが展開したX870E Godlikeには、複数のLCDパネル、高度なRGB演出、サイドマウント電源などが搭載されており、今回のExtremeモデルもそれに匹敵するビジュアル性やケーブルマネジメント機能が備えられると見られる。価格と実効性能の相関が崩れ、むしろ「見せるためのマザーボード」としての価値が前面に出ている点は注目に値する。
加えて、M.2スロットの拡張性、USBポートの多重配置、プレミアムDACやオーディオ回路の搭載、さらには高度なオーバークロック機能など、エンスージアスト層が求める装備も盛り込まれると考えられる。
しかし、冷静に見れば、これらの構成は標準的なゲーミング体験に必須なわけではなく、極めて限定された層にのみ実用性がある。機能をフル活用できる環境が整っていなければ、高価格帯の部品が持つ潜在力はほとんど発揮されない。
このように、価格が性能を上回る局面では、合理性よりも所有することそのものに意味が付与されている。すなわち、ハードウェアが「ステータス」や「審美性」の対象となる時代が到来しているとも解釈できる。Asusの戦略は、実用性の限界を超えて、情熱と審美眼に訴えるプレミアム領域の開拓に向けられているように見える。
Source:PCGamesN