GoogleはPixel 9aが衛星SOSおよび衛星メッセージング機能をサポートしないことを正式に認めた。これにより、Wi-Fiやモバイル通信圏外での緊急通信は不可能となる。原因とされるのは、Pixel 9シリーズで採用されている最新のExynos Modem 5400ではなく、旧型の5300を搭載している点にある。

Pixel 9aは499ドルという価格で、Pixel 9と同等のディスプレイやチップセットを維持しつつも、一部機能を削減。特に安全性に直結する通信機能の非搭載は大きな違いだ。一方、Starlinkのような外部サービスにより補完される可能性もあるが、Google自体はPixel 9aに衛星通信機能を実装していない。

Pixel 9aがSatellite SOS非搭載となった理由とモデムの違い

Pixel 9aには、Pixel 9シリーズで注目された安全機能「Satellite SOS」および衛星メッセージング機能が搭載されていない。Googleはこの点をAndroid Authorityの問い合わせに対して正式に認めており、これによりPixel 9aでは圏外での緊急通信やテキスト送信ができない仕様となっている。この機能は、当初アメリカ本土で提供され、2025年3月のアップデートで対応地域が欧州やカナダ、アラスカなどに拡大された。

この非対応の背景には、搭載モデムの違いがある。Pixel 9aにはPixel 8シリーズと同様のExynos Modem 5300が使われている一方で、Pixel 9シリーズには3GPP Release 17に対応したExynos Modem 5400が採用されている。後者は5G非地上ネットワーク(NTN)への対応が可能で、衛星通信機能の実現を支える重要な構成要素とされている。

Googleは価格を抑えるために一部の機能を意図的に削除しており、Pixel 9aは499ドルという設定のもとでハードウェアに差を設けている。ただし、モデムの差だけが機能非搭載の理由とは断定できず、Googleがソフトウェア的に機能制限を行っている可能性も否定できない。

安価モデルに衛星通信機能は必要かという疑問

Pixel 9aはコストパフォーマンスを重視したモデルとして設計されており、多くの機能を上位機種から受け継ぎつつも、衛星通信のような特殊機能は削除されている。緊急時に通信手段を確保できるSatellite SOSは確かに有用ではあるが、一般的な都市生活や日常使用において、その必要性が常に高いとは言い切れない。Googleは使用頻度の低い機能を省くことで、価格面での魅力を優先したと考えられる。

また、仮にExynos Modem 5400を搭載していたとしても、GoogleがPixel 9aに衛星通信機能を有効にしたかは不透明である。Pixel 9シリーズの発表時にこの機能は「2年間無料」とされており、その後サブスクリプション化される可能性も示唆されていた。サポート体制や契約面の管理が煩雑になることも、廉価モデルへの搭載を見送る一因になった可能性はある。

一方、Starlinkが提供する「Direct to Cell」技術のように、特別なハードを必要とせず、既存スマートフォンでも圏外通信が可能になる動きもある。今後はハードウェアに依存しない衛星通信サービスが普及すれば、Pixel 9aのような端末でも実質的な衛星利用が可能となる余地は残されている。ただし、それが標準機能として備わっているかどうかは、利用者にとって安心感に直結する差でもある。

Source:Android Authority