GoogleがPixel 9aに搭載する通信モデムとして、過去にトラブルが報告されたExynos 5300を採用していることを明らかにした。このモデムはPixel 6およびPixel 8シリーズで電波受信不良やバッテリーの急速な消耗といった問題の一因とされてきたもので、最新モデルのPixel 9シリーズに搭載されているExynos 5400とは異なり、衛星通信機能も非対応となっている。
米VerizonがPixel 9における衛星SMSサービスの提供を発表した一方で、Pixel 9aはその対象外となっており、通信性能における差別化がより明確になりつつある。
Pixel 9aに搭載されたExynos 5300 過去モデルでの課題が再浮上

GoogleはPixel 9aにSamsung製のExynos 5300モデムを採用していることを公式に認めた。このモデムは2023年にPixel 8で使用され、電波受信の不安定さやバッテリーの急速な消耗といった問題が報告されていたものである。またPixel 6シリーズでも類似の不具合が確認されており、複数のユーザーから接続性や発熱に関する不満の声が上がっていた。こうした背景がある中での再採用には、性能よりもコストが優先された可能性もある。
Pixel 9シリーズでは、より高性能なExynos 5400モデムが使われており、省電力性や通信の安定性において明確な進化が示されている。さらに5400モデムは衛星通信(NTN)にも対応し、将来的な非常時通信機能の活用にも期待がかかる。一方、Pixel 9aにはその機能がないため、通信インフラの選択肢が限定される。端末価格を抑える代償として、通信品質に妥協が見られる構成となっているのは否めない。
衛星通信非対応の影響と今後の利用シーンの分断
Pixel 9aはExynos 5300モデムの仕様上、衛星通信に非対応である。これは、米Verizonが3月19日に発表した「Pixel 9およびGalaxy S25による衛星テキスト対応」にPixel 9aが含まれていないことにも表れている。非常時や山間部など電波の届かないエリアでの通信手段として注目されている衛星通信だが、Pixel 9aではそれを利用できない点は見逃せない仕様差である。特に海外渡航や登山、災害時を想定してスマートフォンを選ぶ層にとっては、端末選びの決定打となる可能性もある。
通信性能の優劣は従来、日常使用の快適さに影響する程度の話題であったが、衛星通信の搭載有無は安全性や情報取得手段そのものに直結する側面を持つ。Pixel 9aは価格重視の選択肢として一定の支持を集めると考えられるものの、通信機能の進化を重視する層からは選択肢から外れることも想定される。性能と価格のバランスは魅力だが、搭載モデムの違いがもたらす使用体験の差異は小さくない。
Source:Android Central