Googleは新たにPixel 9aを正式発表し、手頃な価格帯でAI性能や強化されたカメラ機能を備えたモデルとして注目されている。だが、購入時に多くの人が気にする「充電器の有無」については、少し注意が必要だ。
Pixel 9aには充電器が同梱されておらず、パッケージに含まれるのはUSB-Cケーブルのみ。最大23Wの有線充電と7.5Wのワイヤレス充電に対応しているが、フル機能を活かすには別途対応アダプターが必要になる。近年のスマートフォンのトレンドに沿った仕様とはいえ、過去モデルを持たない場合は追加投資を考慮すべきだ。
本体デザインや内部チップセットの進化に注目が集まる一方で、同梱物の変化は日常使用の快適さに直結する要素でもある。購入前に確認しておきたいポイントだ。
Pixel 9aに同梱されるのはUSB-Cケーブルのみ 最大23W充電に対応

Pixel 9aのパッケージには充電器は含まれておらず、同梱物はUSB-Cケーブルのみとなっている。これはPixel 9 Proをはじめとする他のPixel 9シリーズと同様の仕様であり、最近のスマートフォンでは珍しくない。Pixel 9aは最大23Wの有線充電に対応しており、スピードとしては特筆すべきほど速くはないが、日常的な使い方であれば十分実用的といえる。Googleはこの仕様によって充電アダプターの再利用を前提としたエコな方向性を取っており、iPhoneを除く近年のスマートフォン利用者であれば、既存のアダプターが流用できる可能性も高い。
一方で、ワイヤレス充電も7.5Wに対応しているため、ケーブル接続が煩わしい場面ではこちらが選択肢になる。ただし、ワイヤレスはあくまで補助的手段であり、メインの充電手段としては23W対応アダプターの使用が現実的である。パフォーマンスを最大限引き出すには、充電環境の整備が求められるという点も、事前に確認しておくべきだろう。
なぜ今、スマートフォンに充電器が同梱されなくなったのか
Pixel 9aのように充電器が付属しないケースは、ここ数年で業界全体に広がっている。環境負荷の軽減を理由に、多くのメーカーがアダプターの同梱を見送るようになった。これは梱包サイズの縮小や輸送効率の向上といった実利的な効果もあり、Googleも同様の方針を採用している。Pixel 9aはその流れを踏襲し、ミッドレンジモデルであっても充電器を省く構成となっている。
ただし、こうした仕様変更は利用者にとって一律に歓迎されるわけではない。初めてPixelシリーズに触れる人や、過去のスマートフォンで異なる規格を使用していた人にとっては、別途対応アダプターを購入しなければならないという負担が生じる。環境配慮の流れは理解できるものの、利便性とのバランスをどうとるかは難しい判断となる。特に最大23Wの充電性能を活かすためには、適合するアダプターの選定にも一定の注意が必要だ。
価格だけで判断できないPixel 9aの“買い方”とは
Pixel 9aは手頃な価格帯でありながら、Google独自のTensorチップを搭載し、AI処理やカメラ性能で上位機種に迫る機能を備えている。だが、価格だけを見て購入を決めると、充電器の非同梱や専用アダプターの必要性といった見落としがちな点で不便を感じる可能性がある。特に、充電性能を最大限活かすには23W対応のアダプターとUSB-PD準拠のケーブルが必要になることから、事前に環境を整えるか、追加購入を前提とした準備が求められる。
また、ワイヤレス充電対応とはいえ出力は7.5Wと控えめであり、緊急時や短時間の充電では有線の方が現実的である。つまり、Pixel 9aは端末単体で見ればコストパフォーマンスに優れるが、実際の運用にはそれなりの周辺機器の準備が不可欠となる。その点を把握したうえでの「賢い買い方」が、最終的な満足度を左右する。見えにくい部分まで含めて判断することが、今後のスマートフォン選びには重要になってくるだろう。
Source:Digital Trends