Windowsのファイルやフォルダーに突如現れる赤い「×」マークは、OneDriveの同期エラーを示すサインである。特に多い原因はOneDriveの容量超過で、ファイルがクラウドにバックアップされない状況を意味する。このエラーは、アカウントの再設定や同期の一時停止と再開、ファイル名や権限の確認といった手順によって解消できる可能性がある。

容量に余裕があっても赤い「×」が消えない場合は、OneDriveのリセットやアプリの無効化も有効な手段となる。同期対象外のファイル形式や文字列の制限にも注意が必要で、正しく対処すればファイルの安全性や作業効率を取り戻せる。

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OneDriveの赤い「×」は同期エラーの警告サインだった

Windows上でファイル名の横に表示される赤い「×」は、ファイル自体の破損や消失を示すものではない。これはMicrosoft OneDriveの同期が正常に行われていない状態を示す警告であり、特にクラウドへのバックアップが失敗した場合に表示される。最も多い要因はOneDriveの保存容量の不足で、容量上限に達するとアカウントが一時的に凍結され、以降の同期が停止する仕組みになっている。

この問題に対処するには、アップロード済みの不要なファイルの削除、OneDriveのごみ箱の整理、あるいはストレージプランのアップグレードといった対応が有効である。また、容量に余裕があるにもかかわらず同期されないケースも確認されており、その場合にはアカウントの再設定や同期の一時停止と再開、ファイルの名称・形式・サイズの再確認といった方法で原因の切り分けが必要となる。

赤い「×」は見た目に不安を与えるが、ファイル自体が削除されたわけではないため、慌ててデータ復旧ソフトを起動する必要はない。まずは落ち着いて、OneDriveの状態や設定を確認することが重要である。

非対応ファイルや権限設定の落とし穴に注意

OneDriveでは一部のファイルが技術的な制限により同期できない仕様になっている。たとえば「~$」や「.lock」など特殊な記号や接頭辞を含むファイル名、あるいは「AUX」「COM1~COM9」「NUL」などの予約語をファイル名に使った場合、同期は拒否される。また、「.tmp」形式のファイルや250GBを超える巨大なファイルも同期対象外である。このようなルールは、主に互換性やセキュリティ、システム整合性の観点から設けられている。

さらに、ファイルのアクセス権限が適切に設定されていないと、ユーザーが所有者であってもOneDriveが読み取れず、同期エラーにつながる可能性がある。特に「読み取り」や「書き込み」に許可が付与されていない場合は、エクスプローラーの「セキュリティ」タブで個別に設定の見直しが求められる。この点は見落とされがちだが、権限まわりの不備が意外と多くの同期トラブルを引き起こしている。

見た目の問題やファイル名だけで判断せず、設定画面やプロパティで細かく確認することで、無駄なトラブルを回避しやすくなる。

最終手段としてのOneDriveリセットと無効化

上記の対処法をすべて試しても赤い「×」が消えない場合、OneDriveのリセットが有効な手段となる。Windowsの「ファイル名を指定して実行」でwsreset.exeを実行すれば、OneDriveのキャッシュや設定を初期状態に戻すことができる。また、同期アプリのフルリセットにはonedrive.exe /resetコマンドが必要で、パスによって複数の実行形式が存在するため注意が必要である。

リセット後は、OneDriveが自動的に再起動し、以前の設定や同期対象フォルダーを再読み込みする。設定のやり直しは不要で、同期も再開されるため、作業負担も大きくない。一方、そもそもOneDriveを使用する意図がない場合は、アプリの無効化やアンインストールによって赤い「×」マークを取り除くことも可能である。

ただし、クラウド上のデータにしか存在しないファイルはローカルからアクセスできなくなるため、その点の判断は慎重に行う必要がある。便利な同期機能も、自分の使い方に合っていなければストレスの要因になりかねない。選択肢を知ったうえで、最適な設定を選ぶことが求められる。

Source:SlashGear