ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの中核銘柄であるNu HoldingsとVeriSignが、2025年の年初から15%以上の株価上昇を遂げた。ラテンアメリカ市場で急成長を見せるNu Holdingsは、ブラジルを中心に1億人を超える顧客を獲得し、金融インフラの変革を加速。

一方、VeriSignはドメイン管理における独占的地位を背景に、堅実な収益基盤を維持している。地政学的リスクやインフレ圧力が強まる中で、いずれの銘柄もバリュー投資の本質を体現しており、長期的な安定性を求める投資家の支持を集めている。

バークシャーの選定基準に合致したVeriSignの構造的優位

VeriSignは、インターネット基盤を支える「.com」「.net」ドメインの運用権を独占的に保有し、2030年および2029年までの長期契約により、この地位は今後も維持される見通しである。この構造は、バフェットが重視する高い参入障壁と持続的なキャッシュフローの典型例であり、長期保有に適した資産価値を生み出している。2024年の収益は15.6億ドル(前年比4%増)、純利益は7.86億ドルと、外的環境に左右されにくい安定性を裏付けている。

2012年第4四半期にバークシャー・ハサウェイが1株あたり41.62ドルで取得したVeriSign株は、2025年には242.21ドルに達し、資本効率の面でも優れた成果を示している。こうした株価推移は、同社がいかに市場での強固なポジションを確立してきたかを示す証左であり、短期的な成長期待ではなく、永続的な優位性を評価した投資判断の妥当性を裏付ける。

成長余地の限界を指摘する声もあるが、ドメイン登録のインフラという基盤的事業においては、変動要因が少ないこと自体が大きな強みである。景気変動や金利環境の変化に左右されにくい収益構造は、現代の不安定な市場環境において、極めて希少な価値を持っている。

Nu Holdingsの急成長に潜む地域間ギャップと構造的リスク

Nu Holdingsは、ラテンアメリカにおける金融アクセスの格差を解消するデジタルバンクとして台頭し、2024年末時点で1億1,420万人の顧客を獲得した。特にブラジルでは成人人口の58%をカバーするまでに成長し、1人あたりの平均収益も23%増の10.7ドルと、収益性の面でも順調な伸びを示している。2025年の株価は11.95ドルに達し、年初来15%以上の上昇を記録した。

しかし、メキシコとコロンビア市場では拡大スピードに対して顧客のアクティビティが鈍く、収益化には依然として課題が残る。急拡大する預金残高や顧客数とは裏腹に、短期的な利益圧迫要因として、Nu TravelやNuCelなどの新規事業への積極投資が挙げられる。こうした先行投資は、中長期的な成長戦略としては有効である一方、収益の即時性を重視する投資家にとっては不安材料ともなり得る。

加えて、ブラジル国内のインフレや金利変動といったマクロ経済要因も、同社の信用事業には影響を及ぼす可能性がある。金融包摂を旗印に掲げるNuのビジネスモデルは、規模の拡大と収益の最適化のバランスをいかに取るかが今後の鍵を握る。急成長の裏にある地域間格差と収益化の難しさは、今後の戦略において無視できない構造的課題である。

Source:Finbold