中国EV大手NIO(NYSE: NIO)は、2024年2月の納車台数が前年比62.2%増の13,192台と大幅に伸長したが、株価は同期間で約6.7%下落し、5.17ドルに留まった。ウォール街のアナリスト7人中5人が「ホールド」と評価し、目標株価は平均5.21ドルとわずか0.77%の上昇幅にとどまる。
年初以降の複数の格下げも重なり、市場の見方は依然不透明だ。3月21日に発表予定の第4四半期決算では、1株あたり0.42ドルの損失が予測されており、今後の株価動向を左右する重要な試金石となる可能性がある。
納車台数62%増の裏で進む投資家の慎重姿勢

2024年2月、NIOの納車実績は13,192台と前年同月比で62.2%増となり、同社にとって大きな営業上の成果といえる。しかし、この販売増加にもかかわらず、株価は2024年2月初旬から2025年3月20日までに6.68%下落し、終値は5.17ドルにとどまった。このような株価の動きは、事業成長がそのまま株式価値に反映されない状況を浮き彫りにしている。販売台数という短期的な指標だけでは、投資家の信頼回復には至っていない。
株価低迷の背景には、収益性の不透明さがある。第4四半期決算では1株あたり0.42ドルの損失が予測され、前四半期の0.36ドルから赤字が拡大する見通しだ。この数値が現実化すれば、短期的な成長を疑問視する声が強まることも考えられる。また、プレマーケットで4%の下落が観測されたことから、市場はすでにネガティブな予想を織り込みつつある。一方、直近30日で株価が18.31%上昇するなど、反発の兆しもみられるが、持続性は決算の中身次第となろう。
ウォール街の評価は「ホールド」優勢 慎重な目線の背景
2025年3月20日時点でのTipRanksデータによれば、ウォール街のアナリスト7名中5名がNIO株を「ホールド」と評価し、残り2名が「買い」と「売り」に分かれている。平均目標株価は5.21ドルと、現在の株価に対し上昇幅はわずか0.77%に過ぎない。これはNIOの現状に対する市場の期待値が限定的であることを示しており、成長可能性よりもリスクが意識されている状況といえる。
年初以降の動きも注目に値する。HSBCは1月7日にNIOの目標株価を7.20ドルから4.50ドルへと大幅に引き下げ、JPMorganも2月4日に4.70ドルとした。いずれも以前の「買い」評価からの格下げであり、市場の温度感の変化が如実に表れている。これは、EV市場の競争激化やNIOのコスト構造に対する懸念が背景にあると考えられる。アナリストたちは短期的な株価反発よりも、中長期的な財務健全性や事業の持続可能性に重きを置いている様子が見て取れる。
ボラティリティの兆候と今後の試金石となる決算発表
3月21日に予定されている第4四半期決算は、NIOの今後を占う上で重要な転機となる。市場予測では1株あたり0.42ドルの損失が見込まれ、第3四半期の0.36ドルからさらに赤字幅が拡大する見通しである。特に、収益性の改善が見られない場合には、アナリスト評価の一段の引き下げや、機関投資家の撤退といった連鎖反応も否定できない。一方、コスト削減や販管費の抑制などに進展がみられれば、市場の見方が好転する余地も残されている。
また、木曜朝のプレマーケットでNIO株は4%下落しており、市場はすでに不安定な心理状態にあることを示している。ただし、過去30日間の株価は18.31%上昇しており、反転の可能性が完全に失われたわけではない。投資家がこの短期的なボラティリティをどう捉えるかは、決算内容とともに今後の成長ストーリーにどれだけ信憑性があるかにかかっている。成長の数字ではなく、利益構造への納得が次の株価の方向性を決定づけるだろう。
Source:Finbold