2025年3月21日、Farside Investorsの報告によれば、InvescoのビットコインETFにおける1日あたりの資金流入額がゼロとなった。この動きは、ビットコインの価格が0.5%下落し、取引高も2%減少するなど、市場全体の停滞感と一致している。
一方で、イーサリアムは1.2%の価格上昇と5%の取引高増を記録し、投資家の資金がビットコインから他資産へと移動している兆しもある。SECによる規制の影響やDeFiの進展も投資判断に影響を及ぼしている可能性がある。
ETF市場における資金流入ゼロという事実は、ビットコインの主導権低下を示唆し、投資家心理の変化を反映する重要なシグナルとみられる。
InvescoビットコインETFへの資金流入停止が示す市場の変調

Farside Investorsが2025年3月21日に発表したデータによると、Invescoが提供するビットコインETFにおける当日の資金流入はゼロであった。これは同ETFに対する投資家からの新規資本流入が完全に停止したことを意味し、仮想通貨市場、とりわけビットコイン関連商品の動向を見極めようとする慎重な姿勢が広がっていることを示唆する。この日、ビットコインの価格はわずかに0.5%下落し、$67,890を記録。さらに取引高も前日比で2%減少し、市場全体が静的なムードに包まれていた。
一方、同日のイーサリアムは対照的な動きを見せ、価格が1.2%上昇し$3,450に達し、取引高は152億ドルと前日比で5%増加した。BinanceにおけるBTC/ETH取引ペアも3%増加し、12億ドルの取引が行われた。これらの動きは、資産の再配分が進んでいる可能性を示しており、特にイーサリアムやその周辺のDeFi関連トークンへの関心が高まっている状況がうかがえる。
こうした流れは単なる短期的な価格変動にとどまらず、ETF市場という枠組みの中で、ビットコインが牽引してきた時代にひとつの転機が訪れつつある可能性を含んでいる。SECによる規制動向や、他資産との相対的魅力度の変化が、ETF市場における資金の流れに変化を及ぼしているとみられる。
イーサリアム主導の動向と投資資金の再配分兆候
同日観測されたイーサリアムの価格上昇と取引高の増加は、単なる一時的な相場の揺らぎではなく、エコシステムの活性化と技術革新に根差した動きと読み取れる。CoinMarketCapによれば、ETHは$3,450に上昇し、取引高は152億ドルを突破。オンチェーン上でもアクティブアドレスが4%増加し、65万件に達した。これに対してビットコインは80万件で横ばいにとどまっており、アドレス数という観点からも動的な勢いに差が出始めている。
この背景には、分散型金融(DeFi)の成長や、2025年内に予定されているイーサリアムのネットワークアップグレードの影響があるとされる。特にAI関連技術との連携が進んでおり、SingularityNET(AGIX)やFetch.AI(FET)といったAIトークンが3%前後の上昇を示した事例が象徴的である。こうした技術的進展が、新たな投資テーマとして注目を集め、資金の流れを呼び込んでいる状況にある。
投資家は、ビットコインETFという比較的パッシブな投資対象から、より成長余地の大きい領域に視線を移している可能性が高い。DeFiやAIといったテーマは、単なる価格の上昇要因にとどまらず、資産選好の変化をもたらす本質的な力として作用している。今後、こうしたセクターの進展がさらに明確になれば、仮想通貨市場の重心も再配置されていくことが予想される。
Source:Blockchain News