2018年にPC向けVR体験として登場した「Titanic VR」が、Meta Quest 3および3Sに対応し、2025年4月14日にHorizon Storeで配信される予定となった。開発元のEngage XRは、最新のKickstarterアップデートで船体内外の完全探査と1912年の沈没事故の体験を可能にするコンテンツを初公開。映像は72fps対応とされ、没入感に磨きがかかっている。

一部の支援者にはベータテストへの参加権とQuest版の無料ダウンロードキーが提供される見込みで、PC不要のスタンドアロン型VRとしての進化が注目される。なお、歴史体験の収録有無は未確認で、今後の発表が待たれる。

沈没事故を追体験 Quest 3版は歴史的再現と自由探索を両立

Titanic VRのMeta Quest 3版では、1912年のタイタニック号沈没事故を生存者の視点で体験できる歴史モードと、沈没後の海底に眠る残骸を探査する自由探索モードの両方が収録される予定とされている。開発元のEngage XRは、船体の内外を完全に歩き回れる機能を搭載し、没入感のある映像を実現するために72fpsでの動作を目指している。2K画質の映像収録により、公式映像では一部フレームレートが低下しているが、ゲーム本編では滑らかな表現が維持されるという。

現時点では、旧PC版にあった2部構成のうち、歴史モードの搭載有無については未確認となっているものの、初公開されたゲーム内映像では当時の船内構造を忠実に再現した様子が確認されており、没入型の再現体験に重きが置かれている可能性がある。Quest 3というスタンドアロン環境において、これほど精細な構造と演出が実現できるようになったこと自体が大きな進化を物語っている。体験型コンテンツとしての完成度は、単なる映像作品やシミュレーションとは一線を画す領域に達しつつある。

スタンドアロンVRの進化とTitanic VRが示す没入体験の可能性

Titanic VRはもともと、ハイスペックなPC環境を前提に設計された体験型コンテンツであったが、今回のMeta Quest 3版ではスタンドアロンでの完全動作を前提に最適化されている。開発スタジオのCEO、David Whelan氏も「かつては高性能なゲーミングPCが必須だった」と語っており、それが単体のヘッドセットだけで実現可能になった点は、没入体験の敷居を大きく下げる要素といえる。特に、72fpsという滑らかなフレームレートを保ちながら、細部まで作り込まれた船体構造を再現できる点は、スタンドアロンVRの性能向上を象徴する事例となっている。

また、開発チームはKickstarter支援者向けに無料のダウンロードキーを提供予定としており、長年の支援に応える形での展開も注目される。3月21日から開始されるクローズドベータには支援者の中から選ばれた20名が参加予定で、実際のプレイ感や最終的な最適化の度合いが明らかになる段階でもある。PCに依存しない没入型体験がどこまで拡張できるのか、Titanic VRはその技術的可能性と演出力のバランスを計る試金石となるだろう。今後、同様の歴史再現型コンテンツの広がりにも影響を与える存在となりそうだ。

Source:MIXED Reality News