Android 15ベースのOne UI 7について、Samsungは当初Galaxy S24シリーズ向けに4月10日から米国で配信を開始するとしていたが、公式発表ページからその日付を突如削除したことがSamMobileの報道で明らかとなった。
これにより、英国や他地域でも当初見込まれていた同時期の展開に遅れが生じる可能性が高まっている。発表自体もリンク先が一般的なホームページに差し替えられており、配信スケジュールそのものが見直される兆しもある。
Galaxy AI機能を含むOne UI 7は、刷新されたUIやウィジェットの改善など期待の高いアップデートだけに、今回の対応には不満の声が広がりそうだ。
米国発表ページから4月10日の記載が消滅した理由とは

Samsungは今週初め、One UI 7の展開スケジュールを明らかにし、韓国では4月7日、米国では4月10日にGalaxy S24シリーズへの配信を開始すると伝えていた。ところが、SamMobileによると、Samsung USの発表ページからこの4月10日の記載が突如として削除されたという。現在そのページはOne UI 7関連の情報が一切なく、単なるホーム画面へのリンクに差し替えられている。
この変更に関して、Samsungからの公式な説明はなく、何らかの内部的なスケジュール見直し、もしくは技術的課題が生じた可能性があると考えられている。イギリスなど他地域への展開時期も依然として不明のままで、スムーズなアップデート提供とは言い難い状況だ。
特に新機能を心待ちにしていたGalaxy S24ユーザーにとって、このような告知と撤回の繰り返しは信頼を損ねかねない。配信日が明示された後でそれが削除されたとなれば、期待を裏切られたと感じる層も少なくないだろう。
One UI 7の目玉機能と展開の遅れが与える影響
One UI 7では、Android 15をベースにした刷新が随所に施されている。ホーム画面やウィジェットの再設計、新しいアイコンデザインに加えて、Galaxy AI機能の強化が目玉とされており、Nowバーや文字入力・描画補助などが進化する点に注目が集まっている。
しかし、こうした新機能の魅力が増す一方で、配信スケジュールが不安定なことは使用体験に影を落とす。Samsungはかねてより「市場によって提供時期は異なる」と明言しているが、今回のように一度明示された日付が取り下げられると、端末の価値やブランドへの信頼にも影響しかねない。
仮にGalaxy S24が他の地域でも配信延期となれば、最新フラッグシップを購入したユーザーが最も早く最新OSを享受できないという矛盾が生まれる。高額な投資に見合うソフトウェア体験が提供されない場合、選択肢を他社に移すユーザーが増える可能性も否定できない。
OSアップデートの「速さ」と「期間」、どちらが重要なのか
Samsungは長期サポートを打ち出しており、Galaxyシリーズの主要モデルでは最大7年間のアップデート提供を公言している。これは業界内でもトップクラスの対応であり、持続的なセキュリティやOSの改善が保証されるという点で魅力は大きい。
ただし、多くのユーザーにとって最も魅力的なのは、購入直後の新機能をいち早く体験できることではないか。One UI 7が搭載するAI機能や刷新されたUIは、登場当初にこそ最大のインパクトを持つ。アップデートが数週間、あるいは数か月遅れるだけでもその体験価値は確実に下がってしまう。
長期的なサポートの安心感と、短期的な新機能体験の即時性。この2つのバランスが求められる中で、今回のような不透明な配信対応は評価を分けるポイントとなるだろう。速度か持続性か、その選択は今後の製品評価にも影響しそうだ。
Source:Trusted Reviews