GoogleのAI「Gemini」が、ついにSamsung InternetでもURLベースの要約に対応し始めた。これまでChrome系ブラウザに限定されていた機能が拡大されることで、より正確な記事要約が可能となる見通しだ。
Googleアプリの最新版「16.10.40.sa.arm64」での動作が確認され、Samsungのブラウザからもページ全体のURLを取得できるようになった。これにより静的なスクリーンショットに依存せず、全体を読み取って要約する処理が実現する。
GeminiがSamsung Internetに本格対応 Chrome限定だった要約機能に変化

これまでGoogleのGeminiが提供していたWebページの要約機能は、Google ChromeおよびChromeカスタムタブ内に限定されていた。しかし、Googleアプリのバージョン16.10.40.sa.arm64を用いたテストによって、Samsung Internet上でも同様の機能が動作することが確認された。これにより、従来は静的なスクリーンショットから情報を抽出していた要約処理が、ページ全体のURLを直接取得し、内容全体を分析できる形へと進化する可能性が見えてきた。
要約対象が画面に表示されている一部分だけに限られなくなることで、精度や網羅性が格段に向上すると考えられる。特に長文記事や複雑な情報構造を持つページでは、ページ全体の解析に対応することで、より実用的な要約が実現する点が大きい。これはChrome以外のブラウザでは初の試みであり、Androidユーザーの選択肢が広がる転機となる。
正式リリースはまだ先とみられるが、GoogleとSamsungが築いてきた技術的な連携の延長線上にある流れとして注目される。Galaxy S25シリーズに先行して搭載されたGemini関連機能に続き、ブラウザ領域でも連携の成果が形になりつつあるようだ。
ブラウザ選びに影響も Gemini対応がもたらす使い勝手の変化
Androidにおいては、ブラウザの選択肢が豊富に存在する中、Samsung Internetはその軽快さや使い勝手の良さから一定の支持を集めてきた。だが一方で、AI機能やアドオンの豊富さではChromeに一歩譲る場面もあった。GeminiのURL解析による要約機能がSamsungブラウザでも活用できるようになれば、この差は確実に縮まることになる。
情報収集の効率化という点において、要約機能の役割は決して小さくない。特に通勤中やちょっとした空き時間に記事をチェックする習慣のある人にとって、ワンタップで記事の全体像を掴める利便性は大きな武器となる。Chrome限定という前提が取り払われれば、普段からSamsung Internetを利用しているユーザーも、Geminiを最大限に活用できる環境が整っていく。
ただし現時点では、確認されたのはあくまで特定バージョンのGoogleアプリ上での挙動にすぎず、すぐに全ユーザーが体験できるわけではない。正式導入までには検証や調整が必要とされるだろう。とはいえ、このアップデートが日常のブラウジングスタイルを変える起点になる可能性は高い。ブラウザ選びの基準にAIの機能性が加わる時代が、もうそこまで来ているのかもしれない。
Source:Android Authority