サムスン電子は、2025年3月26日にソウルで開催する年次イベント「Welcome to Bespoke AI」にて、次世代スマート家電を発表すると明かした。注目は「Home Living Made Simple」を掲げたAI搭載のBespokeシリーズで、冷蔵庫や洗濯機、掃除機など多岐にわたる製品が登場する可能性がある。

CEOのJH Van氏による基調講演では、スマート家電が「SmartThings」「Bixby」「Knox」などと連携する未来像も共有される予定だ。さらに、サムスンは同週に中国・上海で開催される「AWE 2025」でもBespoke AI製品を披露し、「AI for All」のビジョンを体現する構えを見せている。

SmartThingsとBixbyが織りなす次世代の連携体験

サムスンが2025年3月26日の「Welcome to Bespoke AI」で披露する新製品群は、単体の進化だけでなく「SmartThings」プラットフォームとの連携性に焦点が当たっている。ティザービデオでは、冷蔵庫、洗濯機、スマートフォンといった家電がSmartThings経由で滑らかに連携する様子が示されており、従来の「スマート家電」の枠を超えた統合的なホームオートメーションの一端が垣間見える。

さらに、音声アシスタント「Bixby」やセキュリティプラットフォーム「Knox」との融合によって、家庭内の操作や管理の利便性も大幅に向上する見込みだ。セキュリティの面でもKnoxとの連携がどのような恩恵をもたらすかは注目される要素である。音声操作や自動最適化といった体験の質が、今後のスマートホーム選びにおける重要な判断材料となる可能性もある。

現段階ではすべての仕様が明かされているわけではないが、製品間の相互連携によって「自分で操作する家電」から「必要なときに最適な提案をしてくれる家電」へと進化していく兆しは見逃せない。個別機能の高度化よりも、全体として暮らしをどう変えるのかが問われる段階に来ているように感じられる。

冷蔵庫から掃除機まで幅広く展開されるBespoke AIシリーズ

今回の発表では、冷蔵庫や洗濯乾燥機に加え、食器洗い機や電子レンジ、エアコン、さらにはロボット掃除機やハンディ型モップなど多岐にわたる製品が登場する可能性がある。中でも「Bespoke AI Hybrid冷蔵庫」や「Bespoke Kitchen Fit Max冷蔵庫」は、調理空間と調和するデザイン性と、AIによる食材管理などの機能性が融合したモデルとして注目されるだろう。

また、「Bespoke AIコンボ洗濯乾燥機」や「Bespoke AirDresser」のように、一台で複数の用途を担う統合型家電の登場は、住空間を効率化したいというニーズに応える設計といえる。これらの製品がすべて「AI for All」を掲げている点からも、操作の複雑さを排除し、誰でも直感的に使えるようにする思想が込められているようだ。

ただし、製品数の多さゆえに、それぞれの実用性や設置スペース、価格帯がどうなるかといった点は気になるところでもある。家電ごとのAI機能の深さやSmartThingsとの連動度合いに差が出る可能性もあるため、自分のライフスタイルに合った選択が求められる場面も増えるだろう。選択肢の広さが魅力である一方で、慎重な比較検討も必要となりそうだ。

「Welcome to Bespoke AI」と「AWE 2025」の同時展開が示す戦略的布陣

3月26日のソウルでのイベントと同週に開催される「AWE 2025」への出展は、サムスンがBespoke AI製品に並々ならぬ力を注いでいることを物語っている。AWEは中国最大の家電見本市であり、サムスンはここで「AIホーム」の未来像をグローバルに発信しようとしている。これは、単なる新製品発表にとどまらず、生活空間全体を変革するという意志の表れといえる。

AWEで披露されると見られる製品群も、「SmartThings」基盤を軸に、音声操作やセキュリティとの融合を想定した設計がなされており、AIによる生活最適化の実演が期待される。JH Van氏が語るように、「AIホーム」は今や一部の限られた層ではなく、広範なユーザーに開かれた体験であるべきという前提で開発が進められていることがうかがえる。

ただし、こうした構想が日常生活にどれだけ浸透できるかは、実際の使いやすさやサポート体制、価格とのバランス次第とも言える。技術的な完成度だけでなく、導入後の満足度や、既存家電との連携可能性が重視される段階に入ってきた。イベントの華やかさとは裏腹に、生活者の目線では冷静な評価も必要とされる場面が増えそうだ。

Source:Android Headlines