XRPは一時2.6ドルの高値を記録したが、トランプ米大統領がデジタル資産サミットでステーブルコイン規制に言及した直後、利益確定の売りに押されて2.39ドルまで下落した。背景には、米SECによるリップルへの訴訟取り下げと、RLUSDへの期待感がある。
トランプの法案は米ドルおよび米国債に裏付けられたステーブルコインへの明確な規制フレームを目指す内容で、これによりRLUSDの普及が進む可能性があると投資家の間で注目が集まっている。XRPが2.40ドルの節目を維持できるかが今後の相場の焦点となる。
一方、取引量は横ばいで推移しており、RSIも中立水準にとどまっていることから、市場は新たな材料を待つ膠着状態にある。調整局面では2.30ドルを割り込み、1.90ドルの再試を視野に入れる展開も排除できない。
トランプのステーブルコイン政策が与えるリップルとRLUSDへの影響

ドナルド・トランプ米大統領は2025年3月の「デジタル資産サミット」において、米ドルおよび米国債を裏付けとするステーブルコインに対する規制の枠組みを整備する必要性に言及した。
これは、制度的な不透明性が続いてきた米国の暗号資産市場において、一定の方向性を示した発言として注目された。中でも、リップル社のRLUSDが法定通貨担保型のステーブルコインとして該当する可能性がある点が市場の関心を集めた。
現在、リップルはSWIFTとの協業を背景に国際送金市場での信頼性を築いており、規制の明確化によってRLUSDの採用が促進される構図が想定されている。ただし、現段階では法案の具体的な条文や導入時期は明らかにされておらず、実行段階に至るまでは依然として不確実性を残す。
規制強化が技術革新を抑制するとの懸念も根強く、トランプの政策が市場に長期的な安定をもたらすかどうかは慎重に見極める必要がある。
仮に法案が発行体への明確なルールを提示すれば、機関投資家の参入障壁が下がり、リップルの流動性ソリューションへの資本流入が進む可能性はある。ただし、政策の実現性と市場の受容性は別問題であり、XRPとRLUSDの価値向上に直結するとは限らない。
XRP価格が示すテクニカルな節目と投資家心理の交錯
XRPの価格はトランプ発言とSEC訴訟終結という2つの強材料を受けて一時2.6ドルまで急騰したが、利益確定の動きが強まり3%下落、現在は2.39ドル前後で推移している。注目すべきは2.40ドルという水準で、ここを終値で維持できるかどうかが今後の相場展開を大きく左右する。20日移動平均である2.37ドルが下支えとなっており、これを下回ると調整局面入りの可能性が高まる。
テクニカル指標ではRSIが50.37と中立の状態を示しており、相場は明確な方向感を欠いている。取引量が横ばいであることも、強気の連続上昇を支えるには材料不足であることを示唆する。仮に2.43ドルの50日移動平均を突破すれば再び上昇の弾みがつくが、現在の市場環境ではそれを支えるモメンタムが見当たらない。
こうした状況からは、市場が材料待ちの静観姿勢に入りつつある様子がうかがえる。2.40ドルを下回れば2.30ドル、さらに1.90ドルのサポート再試というシナリオも視野に入るが、これはあくまで短期的なテクニカル反応に過ぎない。根本的な価格推移は、トランプ法案の進展と規制動向の明確化に左右される構造が続くとみられる。
Source:CoinGape