XRPとイーサリアムの取引量が今週急増し、XRPは一日で3倍以上の取引スパイクを記録した。これによりXRPの市場ドミナンスは8%を超え、2018年以来の水準となった。背景にはRipple社に対するSEC訴訟の取り下げといった材料もある。
イーサリアムも取引量が96%増加し、ビットコインに対する売り圧力の低下が観測された。専門家は資金の流れがビットコインから他の主要アルトコインへ向かいつつあると指摘する。
ただし市場全体は依然不安定で、ピーク時から27%下落しており、アルトコインの反発が持続的な回復に転じるかは予断を許さない。
XRPに集まる投資マネーと訴訟終結の影響

今週、水曜日を中心にXRPの取引量が急拡大し、従来の水準を大きく上回る推移を見せた。DL Newsによれば、当日の取引量は通常の3倍以上に達し、XRPの市場シェアは8%を突破。これは2018年1月の過去最高値以来の水準であり、市場参加者の注目が再び集まっていることを示している。
背景には、米証券取引委員会(SEC)がRipple社に対する訴訟を取り下げたという報道がある。Rippleのブラッド・ガーリングハウスCEOはこの結果を「明確な勝利」と評し、XRPの法的位置づけに対する不透明感が一部解消されたことが、投資家心理の改善に寄与したと考えられる。
一方で、価格上昇は一時的であるとの指摘も出ており、B2BINPayのアナリストは今後の展開次第で投資熱が左右されると述べている。D24 Fintech GroupのCTOであるオサマ・バリ氏は、XRP連動型ETFの承認があれば、再度の価格上昇につながる可能性を指摘している。ただし、現時点では市場全体が不安定であることから、短期的な値動きに過度な期待を寄せることは適切でない。
イーサリアムの取引量拡大とビットコインとの対照的動向
今週、イーサリアムは1日あたりの取引量が96%の増加を記録し、市場支配力を拡大させている。特に注目すべきは、ビットコインにおいて短期保有者による大量の売却が続いている一方で、イーサリアムでは売り圧力が相対的に和らいでいる点である。この動きは、トレーダーがより安定した回復可能性をイーサリアムに見出していることを示唆する。
CEX.ioのアナリストは、投資家がビットコインからイーサリアムやXRPなどのアルトコインに資本を移しており、これは単なる短期的な資金流動ではなく、市場構造の変化を反映していると指摘する。ビットコインの下落率が過去24時間で2.6%、イーサリアムが2.8%と近似しているにもかかわらず、出来高の急増は今後の期待感を裏付けている。
ただし、現在の暗号資産市場は依然としてピーク時から27%下落しており、総市場規模は2.85兆ドルにとどまっている。このような環境下では、アルトコインの一時的な躍進も全体の不安定さの中に埋没しやすい。イーサリアムの優位性が一過性に終わらず、構造的な変化として定着するか否かは、今後のマクロ環境や規制対応にも左右されるであろう。
Source:DL News