Samsungの新型タブレットGalaxy Tab S10 FE Plusの仕様と価格がリークされ、13.1インチの大画面化と価格の上昇が明らかとなった。従来モデルの12.4インチからの拡大に加え、超広角カメラを廃止し1300万画素のシングルカメラへ変更された構成も特徴的だ。
プロセッサーにはGalaxy A56と同じSamsung製Exynos 1580を採用し、前世代のExynos 1380からの更新が図られている。欧州ではWi-Fiモデルが749ユーロからとなり、前モデル比で50ユーロの値上げとなる見込みで、ストレージ増加や5G対応にはさらに追加費用が必要となる。
FE Plusモデルは13.1インチへ進化 画面サイズ拡大と価格改定の背景

Galaxy Tab S10 FE Plusは、前モデルの12.4インチから13.1インチへとディスプレイが大型化し、より広い表示領域を実現している。これにより、動画視聴やクリエイティブ用途での利便性が高まる一方で、筐体サイズの増加による携帯性への影響も無視できない。加えて、通常モデルのTab S10 FEは従来通り10.9インチを維持しており、明確な住み分けが図られている点も特徴である。
価格面では、Tab S10 FE Plusが749ユーロからと設定され、前モデルより50ユーロ高くなる見込みだ。Wi-Fi版128GB構成でこの価格という点は、中価格帯タブレットとしてはやや高めと感じるユーザーも多いだろう。また、5G対応やストレージの倍増には追加で100ユーロが必要となるため、価格の総額はさらに跳ね上がる可能性がある。
大型化と価格改定は、単なる上位モデルとの差別化にとどまらず、タブレットをPC代替として活用したい層を意識した調整とも受け取れる。ただし、日常的な使い方を想定するユーザーにとっては、価格と機能のバランスが問われるモデルとも言えるだろう。
Exynos 1580を搭載 カメラ構成の刷新とチップ性能の見直し
Galaxy Tab S10 FEシリーズには、Samsung製のExynos 1580チップが搭載される。このチップは、同社の最新スマートフォンGalaxy A56にも採用されており、前モデルのExynos 1380に比べて処理性能や省電力性が向上している可能性がある。ただし、より高性能なQualcomm系プロセッサーを求める層にとっては、やや物足りない構成とも映るだろう。
また、カメラ構成にも変化が加えられており、FE Plusモデルでは超広角カメラが廃止され、1300万画素のメインカメラのみが搭載される。この変更により、撮影時の多様性は制限されるが、日常用途ではむしろシンプルで扱いやすい構成と見ることもできる。リアカメラが1つという点は、タブレットでの写真撮影の利用頻度を考慮すれば、十分に合理的な判断とも言える。
スペックだけを見ると派手さはないものの、軽快な動作と安定性を重視した構成と捉えることで、実用性を重視する層には一定の評価を得られる構成となっている。
表示性能と使い勝手に関する不透明さ 今後の期待と不安
今回リークされた情報では、Galaxy Tab S10 FEシリーズがOLEDディスプレイを採用するのか、従来通りのLCDで提供されるのかは明らかにされていない。さらに、リフレッシュレートが現行モデルと同じ90Hzのままなのか、あるいは改善されるのかについても不明である。この点は、画面品質を重視する層にとっては注目すべきポイントである。
特に13.1インチという大型画面を採用する以上、表示性能の向上がなければ、その魅力を十分に活かしきれない可能性がある。たとえば、OLEDへの移行が実現すれば、色再現性や黒の表現力において格段の進化が期待できるが、仮にLCDのままであれば、そこに不満を抱く声も出てくるだろう。
今後の正式発表でこのあたりの仕様が明らかになるまで、購入を検討しているユーザーは慎重な判断を迫られる。価格が上昇している以上、表示性能も含めた全体の完成度がどこまで高められているかが、選択の分かれ目となりそうだ。
Source:The Verge