サムスンが次世代SoC「Exynos 2600」の設計を2025年第3四半期までに完了できなければ、同社のフラッグシップであるGalaxy S26シリーズへの搭載は見送られる可能性が高いと報じられた。
2nm GAA技術を用いたプロトタイプの製造は5月にも始まるとされるが、現在の歩留まりは約30%にとどまり、競合であるTSMCの半分程度にすぎない。設計完了の具体的な定義は曖昧であるものの、期限内に進展がなければ製品化は厳しい情勢となる。
設計期限は2025年Q3 Exynos 2600の行方を左右するタイムリミット

サムスンの次世代SoC「Exynos 2600」は、2025年第3四半期までに設計を完了できなければ、Galaxy S26シリーズへの採用が難しくなるとされる。The Bellの報告によれば、設計完了の定義が量産可能な段階を意味するのか、それとも設計図としての完成を指すのかは明確でないものの、このタイミングを逃せば次のフラッグシップに間に合わない可能性があるという。
現在サムスンは2nm GAA(Gate-All-Around)プロセスによる製造歩留まりの改善に注力しており、プロトタイプの試験製造は2024年5月に始まる見込みとされる。しかし歩留まりは30%前後とされ、TSMCの2nm試験生産の水準に比べて明らかに劣っているのが現状である。Exynos 2600の製品化には、設計完了に加えて安定した量産体制の確保が不可欠であり、技術的なハードルは依然として高い。
仮に設計が期限内に整ったとしても、量産ラインの整備と品質の安定化には相応の時間がかかる。歩留まりの劇的な改善がない限り、Galaxy S26シリーズでの採用は厳しいという見方もあり、開発スケジュールの遅れが直接的に搭載可否を左右する構図となっている。
Exynos 2600に注力する裏でExynos 2500の計画が揺らぐ
サムスンは現在、Exynos 2600にリソースを集中させているとされるが、その影響で既に量産に入っていると報じられたExynos 2500の先行きが不透明になりつつある。2025年後半のリリースが想定されていたものの、搭載モデルについては依然として不明であり、このチップが実際に製品に採用されるかどうかは確定していない。
Exynos 2500は、サムスンの現行プロセス技術を基盤としたSoCとして開発が進められてきた。製造が安定しつつある中で、より先進的な2nm技術を採用するExynos 2600へと重心が移ったことで、2500の展開戦略は曖昧になりつつある。リソースの振り分けが限定的な中、両チップを並行して製品化することは現実的ではない可能性もある。
仮にExynos 2500の搭載機種が見送られるような事態になれば、2025年のサムスン製スマートフォンにおいて、Exynos搭載モデルが存在しないというシナリオもあり得る。ユーザーにとっては、Snapdragonとの性能差や発熱、電力効率の面での選択肢が減ることになり、体感としての差異がより鮮明になるだろう。
2nm GAAの歩留まりがカギ TSMCとの差は依然として大きい
Exynos 2600の量産に不可欠な2nm GAAプロセスの歩留まりは、現時点で30%前後とされている。この数値はサムスンの従来の3nm GAA技術に比べれば改善が見られるものの、競合するTSMCが達成しているとされる歩留まりには及ばず、依然として性能面・生産効率面での課題が残る。
サムスンはGAA構造の量産実績において先行しているが、TSMCは安定したFinFETからの移行に慎重でありながらも着実な技術成熟を図っている。その結果、同じ2nm世代でもTSMCの方が良好な製造結果を得ているとの見方が多い。スマートフォン用SoCとしては、性能だけでなく発熱管理や電力効率の最適化も重要であり、歩留まりの低さはこれらの品質安定にも直結する。
歩留まり向上に向けた取り組みとして、サムスンは今年後半までにさらなる改良工程を進めるとされるが、現状では大規模生産の見通しは不透明である。ユーザーとしては、Exynos 2600が搭載された機種が登場することで、新たな選択肢として期待できる一方、技術的な成熟度には慎重な目を向ける必要があるだろう。
Source:Wccftech