Googleの次期スマートフォンPixel 9aに、Pixel 7世代のExynos 5300モデムが搭載されることが明らかになった。Pixel 9シリーズに搭載されるExynos 5400に比べて接続速度や電力効率で劣り、衛星通信などの先進機能も非対応とされている。

Pixel 9aはTensor G4チップを共有するものの、FOPLP構造のPixel 9とは異なり、IPoPモデム設計を採用している。これにより価格は抑えられるが、ネットワークの安定性や高速通信面では差が出る可能性がある。

モデム世代による明確な差異 Exynos 5300と5400の実力比較

Pixel 9aに採用されたExynos 5300は、2022年にPixel 7シリーズで初登場したモデムであり、当時のShannon A5123からの置き換えとして性能向上が図られていた。しかし今回、Pixel 9に搭載されたExynos 5400と比較すると、通信性能やエネルギー効率で劣る部分が目立っている。Exynos 5400は3GPP Release 17に準拠し、最大14.79Gbpsのダウンロード速度を実現しており、衛星通信対応といった先進機能も搭載されている点で5300との差は大きい。

また、Exynos 5400はFOPLP(Fan-Out Panel Level Packaging)技術を採用しており、高い電力効率と発熱管理能力を持つ。一方、Pixel 9aのExynos 5300はIPoP(Integrated Package on Package)設計で、コストを抑えられるものの、熱処理や信号伝送の面では限界がある。こうしたハードウェアレベルでの違いは、通信の安定性やバッテリー持続時間にも影響を与える可能性がある。

Pixel 9aの価格設定を考慮すれば、このような構成の違いはある意味で必然とも言える。ただし、接続速度や次世代通信への対応を重視する利用者にとっては、スペック面の差異が使用感に直結する場面も出てくるかもしれない。

高性能SoCと制限付きモデムの組み合わせがもたらすギャップ

Pixel 9aは、Googleの最新SoCであるTensor G4を搭載しており、日常的な操作や画像処理、AIアシストといったタスクにおいてはスムーズなパフォーマンスを提供できる構成となっている。この点ではPixel 9と同等の演算能力を持ちながら、モデム性能であえて差をつけたことが、本機の設計上の特徴である。処理性能が高いだけに、通信回線の速度や安定性に対する期待値が上がる点は見過ごせない。

一方で、Exynos 5300の抱える課題として、バッテリー消費の効率性や5G接続時の安定性に限界があることが過去の世代でも指摘されてきた。特に都市部や移動中での複数セル接続の維持には課題が残っており、これがTensor G4の実力を十分に活かしきれないシーンを生む可能性がある。Pixel 9のようなExynos 5400搭載モデルでは、こうしたボトルネックは大きく軽減されている。

ハードウェアバランスの面から見ると、Pixel 9aは高性能な中核処理チップを備えながら、通信機能を割り切った設計で価格帯を抑えている。その選択は合理的だが、モデムまわりの制限を認識したうえで選ぶ必要があるだろう。処理能力に惹かれて購入した後に、通信面での不満が出るケースもあり得る。

Source:Analytics Insight