iPhone製造で知られる鴻海精密工業(Foxconn)が、AIサーバー事業において収益の主軸を塗り替える可能性が浮上した。Nvidiaの最新AIサーバー「GB200」に続き、年内には次世代モデル「GB300」の出荷も控え、2025年を「AI元年」とする構想を打ち出す。

Foxconn会長はGTCにて、早ければ2024年中にもAIサーバー事業がiPhone製造を上回ると示唆。すでに同社は世界最大のAIサーバー供給企業と位置付けられ、AI市場拡大の波に乗る体制を整えている。ただし米国の政策動向は不確定要素として残り、外部環境の影響次第では成長戦略の軌道修正も想定される。

2025年はFoxconnの「AI元年」 Nvidiaサーバーが成長の核に

Foxconn会長がGTCで明言したとおり、2025年は同社にとってAI分野への本格的な転換点とされている。現在Foxconnは、NvidiaのAI向け次世代サーバー「GB200」の製造・出荷を担い、年後半には「GB300」の投入も予定されている。これら高性能サーバーの供給体制を掌握していることが、FoxconnをAIサーバー市場の中核プレイヤーたらしめている。

急拡大する生成AIアプリケーションの需要を背景に、データセンター市場は爆発的な成長を遂げており、その波をFoxconnがいかに確実に捉えるかが焦点となる。同社はすでに「世界最大のAIサーバー供給業者」としての地位を確保しており、製造技術と量産体制における優位性を生かして、従来のスマートフォン市場に代わる新たな収益柱を築こうとしている。

とはいえ、AI分野は競争も激化しており、テクノロジーの陳腐化リスクも孕む。Foxconnが中長期的に持続的な収益基盤を築くためには、単なる製造請負にとどまらず、AIアーキテクチャへの理解や信頼性確保に基づいた開発パートナーシップの深化が鍵となる。

iPhone製造からの依存脱却に潜む戦略的意図と市場影響

iPhoneの組立で知られるFoxconnにとって、Appleとの長年の関係は安定した収益をもたらす一方、過度な依存構造を形成していた。今回のAIサーバー分野への急旋回は、Apple中心のサプライチェーンから脱却し、新たな成長分野へポートフォリオを多様化させる意図が色濃くにじむ。

近年のスマートフォン市場は成長の鈍化が顕著であり、Foxconnにとって既存の主力製品群のみに頼る経営は限界を迎えつつある。AIという成長領域へのシフトは、収益構造の再構築だけでなく、Foxconnの市場価値やブランドイメージにも影響を及ぼす可能性がある。

世界的なサプライチェーンの要として、AIインフラの提供者としての存在感を高めることは、同社の交渉力や事業の主導性を高める要因となる。一方で、米中間の政治的摩擦やトランプ前大統領による政策の再台頭は、サーバー供給網の安定性に不確実性をもたらす。Foxconnの動向は単なる企業変革にとどまらず、今後の国際的テクノロジー産業の地図を左右する可能性もある。

Source:PhoneArena