Microsoftは、人気レースゲーム『Asphalt 8: Airborne』が原因で一部PCに対してWindows 11バージョン24H2のアップグレードを制限していたことを明らかにした。ゲーム実行中や終了時にクラッシュが発生する不具合が懸念され、互換性保護の一環としてアップデートが停止されていたが、現在この制限は解除されている。

問題の発表は2024年9月で、手動でのアップグレードも推奨されない状態だった。影響を受けていたPCでは、今後48時間以内にアップデートが順次利用可能となる見込み。なお、どの程度のユーザーがこの制限の影響を受けていたかは明らかにされていない。

レースゲームがアップデート障害の引き金に Microsoftが取った措置とその背景

Microsoftは2024年9月、『Asphalt 8: Airborne』の不具合を理由に、一部PCに対してWindows 11バージョン24H2のアップグレードを制限していた。該当ゲームを起動中または終了時に例外エラーが発生し、アプリケーションが応答しなくなる問題が確認されていたためである。これにより、Windows Updateを通じた配信が停止され、ユーザーによる手動アップグレードの試行も推奨されない状態が続いていた。

Microsoftは「保護ID:52796746」を通じて問題を特定し、IT管理者向けに詳細なレポートも提供していた。今回、この不具合が解消されたことで互換性制限は解除され、該当するPCもアップデートの対象となった。ただし、更新が反映されるまで最大48時間のタイムラグが発生する可能性があるとされている。なお、影響を受けたPCの台数やユーザー数に関する具体的な情報は公表されていない。

今回の事例は、旧来のアプリケーションがシステムの最新環境と予期せぬ形で衝突するリスクを示した形となった。長年使用されてきたタイトルであっても、アップデートとの相性問題が起こりうることを改めて印象づけた形である。

古参ゲームの影響力とアップデート設計の難しさ

『Asphalt 8』は2013年に登場し、かつてWindows PhoneやWindows 8環境下で高い人気を博したレースゲームである。そのような10年以上前のアプリケーションが、最新のOSアップデートにまで影響を及ぼすというのは一見意外に映るが、長期サポートや互換性を重視するWindowsの設計思想が背景にあると考えられる。

このような古参アプリの互換性問題にMicrosoftが迅速に対応したことは評価できるが、一方で、普段からシステムに影響を及ぼす存在と見なされにくいゲームアプリが、OSレベルでアップデートを停止させる要因となった事実は興味深い。今回のようなケースでは、ユーザー自身が原因を特定するのは困難であり、結果的に「なぜ更新できないのか」と戸惑いを感じた人も少なくなかったはずだ。

レースゲームがトリガーとなった今回の事例は、PC環境における全体的なアプリケーションの監視と更新設計の難しさを象徴している。特に、旧アプリが残存していることの影響を軽視できない状況は、今後のアップデート戦略にも一定の示唆を与えるものといえるだろう。

Source:Windows Central