Lenovoは中国市場向けに、GeForce RTX 5070 Ti、RTX 5080、RTX 5090Dを搭載したLegionシリーズの最新ゲーミングPCを発表した。最上位モデルのRTX 5090D構成は、64GB DDR5メモリと2TBストレージを搭載し、価格は約5,800ドルに達する。
このRTX 50シリーズGPUはリファレンス仕様ながら、3連ファンと大型4スロットクーラーを備え、将来的な性能引き上げの余地も感じられる設計。特にサイバーパンクを彷彿とさせるメタリック外装とRGBライティングが目を引き、存在感は圧倒的だ。
現時点では中国市場限定展開だが、Lenovoのグローバル展開を踏まえれば、今後より多くの地域での販売にも注目が集まる。
Legion専用設計のRTX 50シリーズが放つ異質な存在感

Lenovoが2025年モデルとして公開したLegionシリーズの新型ゲーミングPCには、GeForce RTX 5070 Ti、RTX 5080、そしてRTX 5090Dという最新GPUが搭載されている。中でも注目すべきは、中国市場向けのカスタムモデルであるRTX 5090Dだ。このGPUは、削減版ながらも4スロットサイズの巨大なヒートシンクと3基の10cmファン、さらにRGBライティングを備えており、冷却性能とビジュアルの両面で高い存在感を放っている。
その外観は、メタリックな質感と大胆な直線的デザインが印象的で、未来都市ナイトシティから抜け出してきたような印象を与える。写真からも分かる通り、GPU単体がまるでケース内のインテリアとして機能するほどの圧倒的なビジュアルを持つ。これらのGPUはすべてLenovo専用にデザインされており、単体販売される予定はないため、他の自作市場では目にする機会がほとんどないという点も特徴的である。
カスタム設計とはいえ、スペックはNVIDIAのリファレンス準拠で、オーバークロック設定は施されていない模様。しかし、これほど大きな冷却機構が搭載されていることから、温度余裕を活かしたパフォーマンスの拡張にも期待が持てる構成であると言える。
RTX 5090Dモデルの性能と価格に見る“攻め”の構成
最上位構成であるLegionのRTX 5090Dモデルには、Intel Core Ultra 9 285K、64GBのDDR5メモリ、2TBストレージという強力な構成が与えられている。これにより、ゲームだけでなく、映像編集や3Dレンダリングといった高負荷作業も視野に入れた性能が確保されている。価格は約5,800ドル(およそ87万円)に達しており、ハイエンドユーザーを明確にターゲットに据えたモデルであることがうかがえる。
一方、RTX 5080搭載モデルでもIntel Core Ultra 7 265Kと32GBメモリを組み合わせた構成が用意されており、こちらは約3,100ドルと、依然として高価ではあるが選択肢としては現実的なラインにも見える。特筆すべきは、RTX Blackwell世代のカードが従来のレビューにおいて3GHz超のブーストクロックを記録している点であり、設定次第ではリファレンス仕様でも大きなパフォーマンス向上が期待できるかもしれない。
この価格帯と構成は、多くの完成品PCと比較しても非常に高いレベルで調整されており、特に筐体デザインや冷却機構、内部設計へのこだわりを考慮すると、単なるスペック勝負を超えた“体験重視”のマシンと捉えることもできそうだ。
世界展開への期待と市場への波及効果
今回のLegion新モデルは、現時点では中国市場専用として発表されているが、Lenovoのグローバルブランド展開の実績を踏まえると、将来的に他の地域にも投入される可能性は高いと見られる。特に、サイバーパンク調のデザインや巨大クーラーなど、ビジュアル面でのインパクトが強いため、欧米やアジア圏でも一定の需要があると考えられる。
こうした特徴的なハードウェアは、単なるゲーミングマシンという枠を超えて、部屋のインテリアや話題の中心になり得る存在であり、選定の基準を“性能だけ”から“所有する満足感”へと広げる要因にもなりうる。特に完成品PCにおいては、外観と性能の両立が市場で重視されつつある中で、このLegionシリーズの方向性はその潮流に合致していると感じられる。
ただし、中国市場向けのRTX 5090Dは仕様が特定条件に準拠したモデルであるため、仮に他国展開が実現しても全く同一仕様で販売されるとは限らない。その点を踏まえると、現地ユーザーの反応や市場調整の動向を見極める必要があるだろう。だが、このユニークな設計思想がグローバルにどのような評価を受けるのか、注目せずにはいられない。
Source:TweakTown